ゲームプログラマーになるには|仕事内容ややりがい・必要な資格・就職・年収を解説|未経験からなるには

ゲームプログラマーとは

 ゲームプログラマーとは、ビデオゲームやスマホゲームなどの設計、開発、および実装を担当するプログラマーのことです。ゲームプランナーが作成した仕様書や設計書に沿って、キャラクターのモーション効果音、ゲームシステムの構築、ゲームのシーンが意図した通りに動くようにC++やC言語などの開発言語を用いて、ゲームプログラミングを行います。我々が日頃遊んでいるゲームもプログラマーの技術によって快適にプレイすることができるのです。

 

 有名なゲームプログラマーでは、宮本茂氏(1977年に任天堂に入社、入社後はデザインやグラフィックに従事し、マリオのデザインも担当。ディレクターやプロデューサー業も務め、『ゼルダの伝説』や『ピクミン』『どうぶつの森』など多数の有名タイトルに関わる。)や、小島秀夫氏(1986年にコナミに入社、『メタルギア』シリーズでステルスゲームというジャンルを確立。2015年にコナミを退職してコジマプロダクションを設立。『DEATH STRANDING』をリリースするなどの実績を残しながら現在に至る。)などゲームプレイヤー達の間では有名な方が数多くいます。

 

この記事ではそんなゲームプログラマーになるにはどんなことが必要なのか紹介していきます。

ゲームプログラマーの仕事とは

アイデアをカタチにするゲーム業界の基盤

 

 ゲームプログラマーの仕事は非常に多岐にわたり、新しいゲーム機能の開発、バグ修正、ゲームパフォーマンスの最適化などが含まれます。例えば、キャラクターの動きを滑らかにするためのコード制作や、ゲーム内でのユーザインターフェースの反応速度を向上させるための作業などさまざまです。

 

 ゲームプログラマーといってもただプログラミングを行い制作するだけではありません。まずはじめに仕事の流れとしてはプロデューサーやディレクターを含んだ制作チームでのミーティングから始まります。ここで完成イメージのすり合わせや、ゴールまでのスケジュール、作業内容の分担などを綿密に行います。さらに無理な要求があった場合に「できない」と判断することも重要です。その中で、「代替案」を提示しチームメンバーからの要求を可能な限り実現していく力がゲームプログラマーには求められます。

 

 具体的な作業内容には、ゲームの企画書や仕様書をもとにプログラムを設計から始まります。これにより、全体のフローや各部分の役割が明確になり、スムーズな開発が進めることができます。その確認事項は多く、ハードの動作環境(据え置き機・スマホ・PC)、動作推奨環境(ストレージ容量やメモリ容量)、ゲームソフトの動作環境(OSやゲームエンジン)、ゲーム内の仕様(操作方法・メニュー画面の機能)など多岐にわたります。

 

 

プログラミングとデバッグ作業

 

 さらにプログラムの実装では、実際のゲームロジック(コード)やユーザーインターフェースを構築します。この段階では、作業の精度がゲームのクオリティに直結するため、大手製作メーカーやその下請けを担当している会社になると一段と高い技術が求められます。

 

 その後、動作検証のためのテストに移行し、バグがないかチェックします。ここでは、予期せぬ動作や不具合が発生しないように、綿密なデバッグが行われます。このプロセスは時間と労力を要し、安全で快適なプレイ環境を提供するためには欠かせない作業です。

  

 ちなみにこの「バグ」とは英語の「bug=虫」のことを表します。 1940年代にアメリカで開発された初期のコンピューターである「Harvard MarkⅡ(ハーバードマークツー)」が故障した際の修理で、パソコン内に入り込んだ「虫」が原因であったことが判明しました。その虫を取り除いたことで不具合が直ったことにより、「虫を除去をする=不具合を直す」という意味で「デバッグ」と呼ばれはじめました。

ゲームプログラマーになるには

 

即戦力として活躍するための幅広い専門知識

 

 まず大前提として必要なのはプログラミング能力だけでなく、ゲームを動作させるゲーム機自体の仕組みと、その開発環境であるハードやソフトに精通していることが重要です。また指示された通りに作るだけでなく、それぞれのタイトルのテーマ性を理解して操作性や動きを考えられるセンスも必要です。

 

 そのために専門学校や大学、短大または未経験でも独学で職業に対する専門知識と技術を習得する必要がありますが学歴などは必要とされていません。ですが専門学校や大学の方が現役のプロや業界経験のある人間から教えてもらえるメリットがあります。

 

プログラミング言語

 

 幅広い専門知識のひとつとして、制作に欠かせないプログラミング言語の習熟が求められます。必要な言語はいくつかありますがゲーム開発では主にC++、Java、Pythonなどが使用され、特にC++は多くのゲームエンジンで使われているため重要です。ゲーム開発には特定のプログラミング言語が頻繁に使用されており、特にC++といった言語は、多くのゲームエンジンやフレームワークとの相性が良く、効率的なメモリ管理やパフォーマンス向上のために最適化されています。

 

ゲームエンジンの使用経験

 

 ゲームプログラマーにはゲームエンジンの使用経験が重要です。昨今のゲーム開発は、UnityやUnreal Engineなどのゲームエンジンを使用することが一般的です。これらのゲームエンジンを使うことで、高度なゲームプレイやグラフィックを短期間で実現できます。Unreal Engineなどは高グラフィックゲームを遊んだことがあれば一度は耳にしたことがあるはずです。

  

 実は「FORTNITE」や「ドラゴンクエストXII(記事執筆現在制作中のタイトル)」、といった多くのプレイヤーに知られているゲームタイトルもUnreal Engineを使って制作されています。ゲームのティーザー(予告映像)などでも、Unreal Engine内で作った映像をカットして使用してることが多くあり、「実際のゲームプレイ映像とは異なります」という注釈があるのはこの為です。

 

 このように完成前でも高いグラフィックでユーザーに告知できたりと使い方は様々です。さらに近年耳にする「メタバース」もこのUnreal Engineを使って制作される為、これからの新しいコンテンツ制作でも求められる技術として使用経験は必須になります。

 

ゲームプログラマーになるために必要な資格とスキル

 

コミュニケーション能力

 大前提として上記にあるプログラミング言語などの専門知識が必要ではあります。ですがそれと同様にプロジェクトを進める為にコミュニケーション能力が欠かせません。チームでは、プロデューサーやディレクターの他にゲームグラフィッカー(インハウスのイラストレーター)やデザイナー・サウンドエンジニアといった多くの人達とプロジェクトを進めます。納期までに作品を完成させる為にも、その後のキャリアの為にもコミュニケーション能力は必要不可欠です。

 

 さらにゲーム会社では会社内の体制が変わることもあり、人員体制や制作フェーズが大きく変化することもあります。「スーパードンキーコング」などを手掛けたことでも有名なイギリスのゲーム会社「レア(Rare Ltd.)」は、2002年に任天堂からマイクロソフトに買収され大幅な人員体制の変更が行われました。

 

 それまではレアと任天堂の関係性として、任天堂が初期段階のプロトタイプ案でも快く受け入れてくれゲーム制作に進めた体制が、マイクロソフトに変わってからはゴールが想像できるグラフィック(絵)などの明確な完成図を初期段階から求められるようになり、レア社内でのゲームの作り方が大きく変わったそうです。

 

 そのため職場環境が変わる大手メーカーなどではコミュニケーション能力や、より柔軟な人付き合いが求められるといってもよいでしょう。このお話は以下の動画にて、元レア社のクリエイター東江さんが当時の様子をお話されています(下記動画11:41より抜粋)。【マレーシア】カミナリが元レア社員のレジェンドと対談!デビッドワイズと再会!?【オカキチ】

 

基本情報技術者試験(国家資格)

 基本情報技術者はエンジニアやプログラマーの登竜門とも呼ばれており、試験範囲を学習することでITを戦略的に活用できる能力が身につき、この試験に合格していることは、IT系に関連する基本的な知識・技術を身につけていることの証明となります。

 

C言語プログラミング能力認定試験Java™プログラミング能力認定試験

C言語プログラミング能力認定試験とJava™プログラミング能力認定は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が実施する試験で、プログラミング言語の基礎知識を測るための試験となっています。自分のプログラミングスキルを証明できる民間資格として、プログラマーやシステムエンジニア、高度IT技術者などが取得します。

ゲームプログラマーに向いている人の特徴

 

 ゲームプログラマーに向いている人は、「なによりゲームが好きな人」「一つの作業に没頭することが好きな人」「論理的に考えられる人」などが挙げられます。さらにゲーム制作は長時間にわたり作業をすることもあり、体力勝負でもあります。

 

 その中で緻密な作業を求められるので、忍耐力がある人は向いています。最近ではゲームでプログラミングを学ぶ授業やコースも数多くあるため、学歴に関係なく未経験でも始められます。

ゲームプログラマーの給料・年収について

 

 ゲームプログラマーの仕事の平均年収は約425万円となっており、月給で換算すると35万円、初任給は24万円程度が相場になります。全体の給与幅としては364〜926万円と比較的広いため、勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があると見受けられます。

参考:求人ボックス

ゲームプログラマーとしての就職先

 ゲームプログラマーの主な就職先には、家庭用ゲーム機向けのソフト制作会社、スマートフォン向けのアプリ制作会社、そしてオンラインゲームの制作会社などがあります。

 

ゲームメーカー

 ゲームを自社開発し、販売しているメーカーです。大手のゲームメーカーは、自社でプラットフォームの開発も行っています。メーカーによって扱うジャンルに特性が見られるのでそれに合わせたポートフォリオ(作品集)を用意すると良いでしょう。

 

ゲーム開発会社

 メーカーから委託を受けてソフトの開発を行う会社。メーカー同様に、得意分野を持っていることが多く、また1本のゲームのすべてを開発することもあれば、一部分だけの下請けを担当することもあるなど、関わり方は案件ごとに異なります。様々な案件に関われるのは開発会社の魅力です。

ゲームプログラマーを目指す穴吹学園の学科

 穴吹ビジネス専門学校には、ゲームクリエイターをめざす「ゲームクリエイター学科」があります。ゲームクリエイターになるための、技術・知識を学習していきますが、「ゲームプログラマー」として就職することを主としたカリキュラム構成となっています。

ゲーム開発業界では、必須の言語とされている『C++』。この言語を徹底的に学んでいきます。またこの言語は、ゲーム開発だけではなく、システム開発・アプリ開発、IoT技術などにも使われているため、ゲーム開発企業だけではなく、システム関連企業へ就職し、活躍している卒業生もたくさんいます。

そのほか、ゲームエンジン※1を使ったゲーム開発、CG・DTM※2についても学習していきます。
 ※1 ゲームエンジンとは、ゲームを開発するうえでプロも使うプラットフォームのこと
 ※2 DTMとはデスクトップミュージックの略。パソコン上で音楽が制作できるソフト。

授業は座学だけではなく、研修旅行(東京ゲームショウ見学)やゲーム開発企業を招いた講演会、ゲーム開発企業の監修の下でゲーム開発演習を実施したりと、独学では経験できないカリキュラムや行事があるのもポイント。

また、eスポーツクラブもあります。ゲーム開発にはユーザー視点を持つことも大切。グラフィックや操作性、音楽や効果音はどうか。など楽しみながらゲーム開発について学べる環境もあります。
 
 穴吹ビジネス専門学校で、ゲームクリエイターをめざしてみませんか。オープンキャンパスでお待ちしております。

 

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