ホテルのフロントで働くスタッフは、お客様を最初にお迎えし、最後にお見送りする、まさに「ホテルの顔」となる存在です。

あなたは将来の進路やキャリアを考える中で、人との関わりが多く、やりがいの大きいホテル業界に興味を持っているかもしれませんね。この記事では、ホテルの最前線で活躍するフロントスタッフがどんな仕事をしているのか、どうすればなれるのかを詳しく解説していきます。

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）の仕事の魅力や、身につけておきたいスキル、そして目指すために役立つ資格など、あなたがこの職種を目指すための情報をまとめています。ぜひ、あなたの夢への一歩を踏み出す参考にしてください。

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）の仕事内容

ホテルフロントの仕事は、単なる受付ではありません。そのホテルをスムーズに業務を遂行するための「総司令部」のような役割を果たしています。お客様への丁寧な接客と、各部門との連携が求められる、とても重要な職種です。

ホテルマンや「ホテリエ」とも呼ばれるホテルスタッフの主なフロント業務と仕事内容を見ていきましょう。

• 予約管理

お客様からの予約の整理を行います。インターネットや電話からの予約の受け付けだけでなく、キャンセルや変更などの手続きも業務に含まれます。また、予約なしで直接お客様が訪れた際に、客室の空き状況をすぐに調べ、対応することもあります。

• 受付・お客様対応

お客様のチェックイン・チェックアウトの手続きや、ホテル内の施設などの説明をします。滞在中のお客様から直接相談や要望などを受けることが多いため、それらの要望に対応できるサービスが行えるよう、ホテルの各部門へ正確に伝達する役割も担います。

• インフォメーション（案内）

観光、ビジネス、飲食、宴会などのさまざまな目的で訪れたお客様へ情報を提供する、情報センターのような役割や、コンシェルジュ的な役割を担うこともあります。
お客様の期待に応えるサービスのため、周辺の観光地やホテル周辺の知識を把握しておくことが必要不可欠です。

フロントスタッフに求められる接客マナーとホスピタリティ

ホテルのフロントで活躍するには、お客様の満足度を高める正しい接客マナーとホスピタリティが欠かせません。

ホテルスタッフとしてまず身につけるべきは、明るい笑顔や丁寧な言葉遣い、正しい姿勢などの基本的な接客マナーです。快適で上質な時間を期待しているお客様にとって、些細な気配りや清潔感ある対応がホテルへの信頼感を高めます。また、身だしなみや言動の統一性は、ホテルのブランドイメージを守るうえでも重要です。

さらに、ホスピタリティとは形だけの礼儀ではなく、「ホスピタリティ精神」を持ってお客様の立場に立って心配りをおこなうことを指します。このホスピタリティ精神と接客マナーが両立してこそ、フロントスタッフとして高い評価を得られるのです。

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）の１日のスケジュール

ホテルの規模や形態にもよりますが、フロントスタッフには早番・中番・遅番の勤務形態が存在します。ここでは、一例として早番のフロントスタッフの1日の流れを紹介します。

朝7時頃にホテルに出勤し、制服に着替えます。当日の業務内容の確認や夜勤スタッフからの引き継ぎを受け、お客様からのご要望の有無を確認します。

8時頃からフロントに立ち、チェックアウトの対応を始めます。お昼に他のフロントスタッフと交代で休憩を取り、15時からはチェックインのフロント業務をスタートします。

17時頃、交代する遅番のスタッフに仕事を引き継ぎ、業務終了となります。ホテルを訪れるお客様に快適な滞在を提供するために、フロントスタッフは多岐にわたる業務をチームで協力し合いながらこなしています。
　

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）になるには

ホテルスタッフの求人には、特別な資格は必要なく、高校卒業以上の資格があれば応募が可能なものがほとんどです。一般的なホテル業界への就職は、各ホテルの採用試験を受けて採用された後、ホテルの一通りの研修を経て各部門へ配属されるという形が多いです。

しかし、ホテルフロントで活躍するために、未経験の方はホテル業界のことを幅広く学べる専門学校で学び、在学中にさまざまな資格を取得しておくと、就職する際に大いに役立つでしょう。

ホテル業界では、おもてなしの心と、高いサービス力が必要となります。学生のうちにホテルでアルバイトやインターンシップなどを経験することで、職種の魅力や業務内容も理解できるためおすすめです。

専門学校で学ぶメリット

専門学校では、ホテル実務に直結したカリキュラムが組まれており、フロント実習やホスピタリティ演習など実践的な授業が豊富です。模擬フロントや模擬客室などを備えた施設を活用することで、現場さながらの環境でトレーニングができます。

さらに、インターンシップや企業との連携プロジェクトを通じて、学校での学びを直接仕事に生かせる機会がある点も魅力です。卒業後すぐに現場で活躍したい人や、実務経験を重視する企業に就職したい人には特におすすめといえます。

専門学校のオープンキャンパスに参加して、ホテル分野の学習内容や設備を直接見てみるのも良いでしょう。

大学・短大との違い

大学や短大は、幅広い教養や観光学、経営学といった理論的・学術的な知識を深められる点が特徴です。一般教養と合わせて語学力やコミュニケーション能力を磨くことで、ホテル以外の業界への展開もしやすくなります。

一方、より実務に特化した経験を積みにくい場合もあり、就職活動で求められる実践的スキルは自分でインターンを探して補う必要があります。大学卒業後は大手ホテルの総合職採用など、キャリアアップを重視する道が開けるケースもあるため、自身の将来設計に合わせて選ぶことが大切です。

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）になるために必要な資格とスキル

ホテルのフロントで働くために必ず持っておかなければならない資格はありません。しかし、インバウンドで海外からの旅行客（外国人観光客）が増加している現状や、外資系ホテルもたくさんあるといった業界背景から、やはり語学力は必要になってくるでしょう。

そのため、TOEICや英検などの語学力に関する資格や英会話スキルがあると、就職や転職にも有利となります。

ここでは、持っていることで就職する際に有利になったり、実際に仕事をする際に役立つ資格をいくつか紹介します。

• ホテルビジネス実務検定試験

ホテルビジネス実務検定試験（略称：Ｈ検　Hotelier Proficiency Test）は、総合的な資格制度として、ホテルの実務知識の体系的理解度を測定するための評価基準となる検定試験です。

• ホテル実務技能検定

ホテルで働くために必要な、接遇･料飲･宿泊等､ホテル業における専門分野知識および語学力を認定する試験です。

• サービス接遇実務検定

サービス業務に対する心構え，対人心理の理解，応対の技術，話し方，態度・振舞いなどを審査する試験です。

• マナー・プロトコール検定

社会人として必須のマナーやプロトコール（国際儀礼）に関わる知識と技能を認定する資格です。

資格取得はもちろん大事ですが、ホテルで働くにはホスピタリティ（ホスピタリティマインド）を身につけることが大前提となります。

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）に向いている人の特徴

人を喜ばせることが好きな人

人に喜んでもらうことが好きな人、人が喜んでいる姿に自分自身も喜びを感じる人はそのためにどんなサービスをしたら喜んでもらえるかを考え行動できる人です。

お客様の要望に応え、喜んでもらえることに喜びを感じる人は、日々お客様と向き合うフロントスタッフに向いていると言えるでしょう。

丁寧な言葉遣いや立ち振る舞いができる人

ホテルの最前線ともいえるフロント業務。常にお客様と接することがあり、そのホテルの「顔」と言っても過言ではありません。

フロントスタッフの対応でホテル全体のイメージが決まります。笑顔や、丁寧で美しい振る舞いがとても重要になります。

臨機応変に対応できる人

お客様は宿泊、食事、会合などさまざまな目的でホテルを訪れます。その一人ひとりのお客様へ適した対応が求められ、また宿泊の時期などによってもサービスの内容は変わります。

決められたマニュアルだけではないサービスが求められる現場であるので、臨機応変に対応できる力が必要不可欠です。

体力のある人

ホテルでは夜勤勤務があるほか、宴会場などのレイアウト替えや、宿泊ルームの清掃の業務もあります。このため、体力は必要となります。
また、他部門との連携も大変重要な仕事のため、お客様に対する対応だけでなくホテルスタッフとのコミュニケーション能力も大切です。

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）の給与・年収

ホテルスタッフ（正社員）の平均年収は、313万円、給与は月26万円程度となっているようです。

年収や給与は、ビジネスホテルやリゾートホテルといったホテルの種類の違いや、ホテルの立地などにも左右されることが多いため、ホテルによってさまざまです。

正社員・派遣・アルバイトといった雇用形態によって収入面や待遇は大きく異なります。正社員は基本給と固定的な福利厚生が手厚い一方、派遣や契約社員は時給や契約期間が明確で、適合すれば簡単にキャリアアップが可能です。
また、外資系ホテルはグローバル水準の給与体系を採用していることが多く、昇給ペースやインセンティブも手厚い傾向にあるため、短期間で実力を認められれば高収入を目指せるケースがあります。

キャリアアップを目指せる職場でもあるため、雇用形態やホテルのタイプを含めて、自分に合った働き方を検討することが大切です。。

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）の就職先

一口にホテルと言っても、ホテルにはさまざまな種類があります。

都市部にあるシティホテル、観光リゾート地にあるリゾートホテルやビジネス利用を目的としたビジネスホテルなど、それぞれのホテルによって客層や宿泊する目的なども違います。そのため、それぞれお客様に合ったサービスを提供できるようホテルのサービスの内容も働き方もそれぞれ違ったものになっています。

専門学校などで専門性の高い勉強をすることによって、そうしたさまざまなサービスに対応できるスキルを身につけることができ、自分に合った働き方のできる就職先を選ぶ際にも役立つでしょう。

ホテルスタッフ（フロントスタッフ）を目指す穴吹学園の学科

穴吹ビジネス専門学校には、ホテルフロントスタッフをめざせる「ブライダル・ホテル学科」があります。

少人数クラスのため、講師の目と声が一人一人に行き届くきめ細やかな指導によってより深く専門知識を学ぶことができます。

また授業の一環としてチャペルや高級ホテルなどへ見学や研修に伺い現場のプロから説明や指導を受けることで、教科書以上のスキルや専門知識を学ぶことができます。

そしてそれらの知識を習得した上で、沖縄のリゾートホテルへインターンシップに赴き、実践を通して進もうとしている業界を経験することによって、就職後即戦力の人材として必要なスキルを身につけるとともに、就職先などを具体的に考えるきっかけにもなります。

実践的なスキルだけでなく、ブライダル・ホテル学科では資格の取得も積極的に取り組んでおり、先に記述した「ホテル実務技能認定試験」「サービス接遇実務検定」「マナー・プロトコール検定」などの資格の取得が可能です。

穴吹国際みらい専門学校で資格の取得や高スキルを身につけ、就職後即戦力となるホテルフロントスタッフを目指しましょう。