ペットサロンオーナーになるには|仕事内容・やりがい・必要な資格・就職・年収(給与)なるには

ペットサロンオーナーとは

近年さらに犬や猫などのペットを飼う家庭が増える中で、ペット業界に携わる働き方も様々になってきています。ペット関連の施設やショップも増えてきていることから企業や病院に入り働くことが一般的です。

それ以外にも、起業しトリマーなどの資格や経験を活かして、自らの店舗を持ちながら働く「ペットサロンオーナー」という選択肢もあります。
本記事ではそのようなペットサロンオーナーになるためのステップやどんな資格が必要なのか、またペットサロンオーナーの仕事内容、平均年収などにもポイントを置いて解説していきます。

ペットサロンオーナーの仕事内容

ペットサロンオーナーの主な仕事は、犬や猫などの毛のカットを行うトリミング、シャンプーなどのお手入れを行うグルーミングが基本ですが、ペットホテルやペットシッターなどペットの預かりのサービスを行う店舗もあります。

そのほかにもペットに関する商品の販売を行う場合は、商品の仕入れや管理などの業務もあります。
可能な業務が多ければ顧客の数を増やすことができるため、近年は様々な業務を幅広く担うペットサロンも多くあります。

また、ペットサロンオーナーは自らがオーナーとなり店舗の管理をする必要もあるため、人件費や設備資金などの経費の管理、備品や機器の管理、衛生管理、競合店舗との差別化を図るための調査、SNS運用、従業員の雇用をしている場合はスタッフ管理など、仕事内容は膨大にあります。

実際のお客様対応だけでなく、その裏にある事務的な業務もペットサロンオーナーの仕事のうちです。

ペットサロンオーナーになるために必要な資格や下準備は

ペットサロンオーナーとして開業するための流れとしては、最初にペットサロンや動物病院などでトリマーとしての経験を十分に積んでおくことがおすすめです。開業の為の資格があれば開業は可能ですが、ペットに安心してトリミングを受けてもらうためにも、トリマーとしての技術と知識を十分に経験したうえでの開業が望ましいです。

ペットサロンオーナーとして開業するためには必要な資格があるため、いくつかの注意点があります。
まず、保健所が管理する動物取扱責任者という資格を取得する必要があります。

この資格取得のためには

1.           獣医師の免許を取得していること

2.           愛玩動物看護師の免許を取得していること

3.           半年以上の実務経験があり、所定の教育機関を卒業していること

4.           半年以上の実務経験があり、所定の資格等を取得していること

のいずれか一つを満たしている必要があります。※1

さらに、第一種動物取扱業の「保管」の 種別で登録申請・認可が必須です。

登録申請を行い審査に通れば開業することができますが、一定の基準をクリアしなければなりません。
・資格要件を満たした動物取扱責任者を事業所に配置すること
・事業所でペットの世話を担当する職員も動物取扱責任者と同じ資格要件を満たしていること

この基準は地域によって若干の違いがありますので、申請前に各都道府県の動物愛護センター等で確認しておくことをおすすめします。
登録を受けずにペットサロンの開業をすると動物愛護管理法違反となり罰金処分が下ります。
しかし実務経験や関連学校・関連資格の取得ができていれば問題なく申請の許可が下りることは多いようです。

それらの審査の通過とともに、税務署に開業届を提出する必要があります。
開業届は、新たに事業を始める個人事業主や法人が、役所に提出する書類のことです。
開業届は事業を開始してから1か月以内に税務署へ提出しなければいけません。

開業の資金調達方法は


ペットサロン開業手続きには開業資金の調達も必要です。
開業にかかる費用は開業場所によって大きく変わりますが、売上げが安定し、利益がでる前までの運転資金も含め多めに準備しておくことがおすすめです。

また、補助金や助成金が出る場合もあります。
開業する地域や立地、また自宅開業なのか店舗を新たに構えるのかなど、様々な条件によって補助金や助成金も変わってきます。

合わせて、開業するための自己資金が足りない場合には金融機関などからの融資制度の活用なども検討してみましょう。
初めてトリミングサロンを開業される方は、日本政策金融公庫からの借入がおすすめです。※2
政策金融公庫とは財務省管轄の特殊会社のことで、中小企業や新規事業立ち上げの際の貸付などを行なっている団体です。
個人が新規で借入をする場合、実績がない状況で借入をすることは難しいですが、政策金融公庫では新規の貸付も利率を低く抑えて行なっています。

ペットサロンにはいくつかの運営スタイルがあります。
具体的には4つほどに分けられ、店舗を借りて運営する店舗型サロン(ペットサロン)、自宅を店舗として運営する自宅サロン、ペットを飼っている家庭に訪問したり、ワゴン車などを利用して車内でトリミングを行う出張・移動型サロン、商業施設やペットショップ、動物病院などに併設して運営を行う併設型サロン(シェアサロン)などです。

自宅サロンや出張・移動型サロンは、家賃や物件取得がかからないことや、店舗を持たないことから、資金を抑えて開業することが可能です。

このように、どの開業スタイルを選ぶかによって初期費用が変わってきます。どのような開業スタイルで行うか、費用なども考慮しながら慎重に検討しましょう。
融資や出資を受ける際には、創業動機・目的や必要な資金調達の方法、借入の有無、事業の見通しなどを記載する事業計画書は必要になります。

円滑なスタートを切るためにも、将来性のあるしっかりとした事業計画を立てておくなどの下準備を徹底して行うことが大切です。

トリマー資格の必要性は


トリミングやグルーミングは資格がなくてもできる仕事ではありますが、それらの資格を取得しておくこともおすすめです。

利用者が安心して任せられる一つの判断材料となるため、資格を取得していることは集客効果としても役立ちます。
動物取扱責任者の必要資格にはトリマー資格も認められます。
将来的にペットサロンオーナーになりたい人は必要資格を前もって研究しておくと良いかもしれません。

※1出典動物取扱責任者等(東京都動物愛護健康センター)

※2日本政策金融公庫

ペットサロンオーナーに向いている人は

まず第一に、動物が好きな人です。ペットサロンオーナーは依頼主の大切な家族をお預かりし、お手入れをしたり毛のカットをするのが仕事ですが、他にもペットの健康管理をするのも大事な仕事の一つです。

言葉を話すことのできないペットの些細な変化に気付き病気の発見をしたり、トリミングの際にペットの負担が少ないよう気を配るなど、気遣いができる人、そして動物に対してだけでなく飼い主さん、人とのコミュニケーションが得意な人が向いていると言えるでしょう。

また、抱き上げたり、嫌がって暴れる動物を保定したりと体力が必要な仕事でもあるため体力があることも望ましいです。

オーナーとして必要なスキルは、決断力や戦略的思考力、コミュニケーションスキル、責任感、危機管理能力など多岐にわたる資質が求められます。

例えばサロンのコンセプト作りは競合店舗との差別化に繋がる根本的な部分を担います。競合が中々マネできなかったり、知識や技術を積み重ねていけるコンセプトや差別化こそが本質的には重要なサービスになるかと思います。
その様な独自のアイデアと需要を織り交ぜたサービスの提供が、店舗の大事なオリジナリティになります。

素晴らしいコンセプトやサービスを提供しているトリミングサロンの中には、それらの情報を発信していないことで利用者にアピールできていないという可能性もあります。
サロンの経営において、SNSの活用は大切な集客方法の一つになります。

近年ではインターネットで調べた情報をもとに店舗の利用を決める場合も多くあります。口コミや利用してくれた方の紹介から顧客が広がっていくことも多いため、紹介したいと思ってもらえるような接客やニーズに合ったサービス、選びたいと思われる広告活動も大切な業務です。
SNSの活用は、様々な媒体からいろんな目線で利用者が店舗の良さを見つけることができます。また、宣伝費をかけずに始めることも可能なため自営業者の最初の広告業務にはうってつけです。

そのようにペットサロンオーナーは頼まれた目の前の仕事をこなすのではなく、様々なことに気を配り、視野を広げたアイデア次第で自らの店舗を人気店にすることが可能です。
ペットと飼い主の双方がが安心でき、楽しめる環境づくりに惜しみなく努力できる人が向いているといえます。

ペットサロンオーナーの給料・年収は

独立・開業して間もない個人経営者の年収は、おおよそ500~数千万円が想定されます。軌道に乗るまでは安定した収入は得られないこともあります。

トリマーと​して​独立開業する​場合の​年収は、​開業する​地域、​経験や​技術、​店舗の​規模や​設備、​さまざまな​要因に​よって​大きく​異なります。

給料の比較をするとトリマーの平均年収は約340万円で、月給で換算すると28万円、初任給は23万円程度が相場と言われています。※

経営力、技術力、立地など成功の為には様々な理由はありますが、企業で働くよりは給料アップが大きく期待できるため、開業するメリットは大いにあるといえます。

そのため、ある程度の経験をつんだトリマーやグルーマーがペットショップオーナーを目指すのもキャリアアップの一つの手段です。

※出典求人ボックス

現役で活躍するトリマー/グルーマーの声~ペットサロンオーナー

穴吹動物専門学校(現・穴吹ビジネス専門学校)を卒業後、岡山でトリマーとしてのスキルを磨き、わんちゃんだけでなく猫ちゃんのグルーミングも提供しています。学生時代は実習に積極的に参加し、夢だったトリマーへの自信をつけました。

数年の勤務を経て「Dog Salon treat」を開業しました。私の地元尾道にあった家族経営の店をリニューアルし、素敵なサロンに生まれ変わりました。内装やディスプレイも、自分自身でデザインしました。

わんちゃんたちとのコミュニケーションを大切にし、彼らがリラックスできるよう努力しています。トリミングを通じて、わんちゃんや猫ちゃんと飼い主さんが喜んでくれる瞬間が何よりもやりがいです。

SNSやホームページを活用し、お客様とのコミュニケーションを楽しんでいます。口コミで次のお客様と繋がることも多く、地元尾道ならではの温かいサポートに感謝しています。

お店には無添加で安心安全なおやつなど、魅力的な商品も置いています。私の目指すのは、飼い主さんとわんちゃんが共に楽しい気持ちになれるものを提供することです。これからも動物と飼い主さんに愛されるお店を目指しています。

分からないことや不安なことはそのままにせず何でも聞くという癖をつけて、何にでも挑戦することが大切だと思います。

動物業界はとてもやりがいを感じる職です。「犬や猫が大好き」という思いを大事にして頑張りましょう!!
トリマー仲間・動物業界仲間が増えるのを楽しみにしています。

トリマー/グルーマーをめざせるアナブキの学科

穴吹ビジネス専門学校にはペットサロンオーナーを目指せる「動物健康美容学科(2年制)トリマーコース」があります。

学校が運営するトリミングサロンで一般家庭のわんちゃんをお預かりしているため、毎日のように実習ができるカリキュラムでトリミングの技術を磨くことができます。
また、ジャパンケネルクラブ(JKC)トリマー養成協力機関校として、在学中に校内でJKC公認トリマーの試験を受けることが可能です。

トリミングの技術だけでなく、動物栄養学や動物健康管理・看護学も学ぶことで緊急時の対応などの幅広い知識や技術を勉強し身につけることで、ペットショップやトリミングサロンだけでなく動物病院でも働くことができるメディカルトリマーとして活躍できる人材を育成します。

さらに、動物取扱業者として必要な適性飼育や法律についても学び、 ペットサロンオーナー開業の際に必要となる資格の一つである愛玩動物飼養管理士試験合格へ導きます。

加えて、社会人としての知識の習得といったビジネスマナー、パソコンの基礎知識やビジネス文書作成等を学ぶのカリキュラムもあるため、将来的な独立開業を行えるほどの知識・技術を2年間で学ぶことも可能です。


穴吹ビジネス専門学校の大好きな動物に囲まれた環境で、叶えたい夢のその先、ペットサロンオーナーを目指してみませんか。

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