「社会を良くしたい」という理想。
でも、それをビジネスとして成立させるのは至難の業です。ITビジネス学科の卒業研究で、プロの厳しい現実に挑んだ学生たちの物語をお届けします。
「誰かの役に立ちたい」という純粋な気持ち(=スキ)は素晴らしい才能ですが、プロの世界ではそれだけでは通用しません。
持続可能なビジネスにするためには、緻密な計算と、何より「本当に実現できるのか?」という現実的な視点が必要だからです。
ITビジネス学科の学生たちが今回挑んだのは、まさにその「理想」と「現実」の境界線でした。
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この卒業研究発表会には地元の有力企業13社の方々が審査員として参加、自分たちの「スキ」が社会でどこまで通じるのか、「プロの目」でアドバイスを頂く貴重な機会となりました。
カリキュラムを超えた、AIとの「共闘」
実はITビジネス学科で普段授業で学んでいるのはVBAやHTMLといった基礎的な開発スキルが中心です。 でも今回の発表会で学生たちがビジネスモデルとして提示した解決策は、その枠を大きく超えるものでした。
足りない知識を補うために、彼らはGeminiやCursorといったAI技術を徹底的に使い倒しました。

「自分たちの手で、社会を動かす仕組みを作りたい」 その一心で、未踏の領域に踏み込み、仲間と一緒にとことん議論を重ねる。 教科書をなぞるだけでは決して得られない、自律したプロの姿が見えました。
突きつけられた「ビジネス」という壁
3つのチームが提案したのは、どれも現代社会が抱える痛みに深く根ざしたモデルでした。
YouTubeで各チームの発表も公開しています!
【チームYMN:即時割引連携システム】動画はこちら

物価高に苦む家庭と、食品ロスを減らしたいスーパー。 両者をリアルタイムの通知で繋ぐこの案は、単なるボランティアではなく、「廃棄コストの削減」という明確な経済メリットを追求、消費者とお店を繋ぐスマホアプリも開発しました。

技術的な壁にぶつかり、一部の機能を断念せざるを得ませんでしたが、それでも実際にスーパーへ足を運んで現場の声を反映するなど「今できる最善」を形にした学生の執念には、プロも舌を巻きました。
【チームALE:令和の茶の間】動画はこちら

深刻な「8050問題」に対し、メタバースを用いた「家族のケア」を提案しました。 単なる現実逃避ではなく、親が一時的にでも肩の荷を下ろすための「戦略的休息」という概念は、福祉とビジネスの新しい形を示唆しています。

審査員からの厳しい収支計画への指摘に、「そこが僕たちの力不足です」と真摯に認めた彼らの潔さは、ビジネスの厳しさを知ったからこその強さでした。
【チームたねまき:人材育成アプリ『未来株』】動画はこちら

「学生の努力を株として可視化する」という、自身のバイト経験から生まれた大胆な発想。学生の将来への不安と企業の採用課題を同時に解決するためのラーニングアプリを開発。AIを開発のパートナーに据えつつも、「AIに使われないための倫理」まで考え抜いた構成は、技術の先にある「人」を常に見据えていました。

理想と向き合う、最高の「失敗」を。
プロの審査員からは、収支計画の甘さや、技術的な不備を指摘する声もありました。 しかし、これこそがこの発表会の最大の価値です。
「自分の『スキ』が、社会ではどう評価されるのか」を肌で感じること。 その「悔しさ」を知っているからこそ、彼らは現場に出たときに誰よりも早く成長できます。

「自分に何ができるかわからない」と不安に思う必要はありません。 最新のツールを使いこなし、仲間とぶつかり合い、プロに叩かれる。 そんな「最高に贅沢な失敗」ができる場所が、ここにはあります。
みんなの「スキ」が、いつか誰かを救う本物の力に変わるまで。 その挑戦を、全力で応援しています!
そして、厳しくも温かい目で学生たちのアイデアに対してプロの声で応えてくださった各企業の皆様、本当にありがとうございました。

IT×ビジネスの力で自分の未来をデザインする
ITビジネス学科ではITリテラシー、事務処理、マーケティング・金融など社会が求める多様なスキルを身につけ、適性や活躍したい場に合った専門性を磨きます。

社会に貢献できる人材に成長できるよう、産官学連携企画やビジネスコンテストへの参加など、学生たちの自主的な活動も支援しています。
