ペットシッターとは

急な用事や旅行などでペットを預けたい!といったとき、どうすればいいでしょうか?
最近はペットホテルなどのたくさんの選択肢がありますが、今回はその中でもペットシッターについて紹介します。
大切な家族を預けるという不安を少しでも和らげ、ペットと飼い主の双方が安心して利用できるような環境づくりの為、動物業界ではたくさんの工夫がされています。
ペットシッターになるにはどんな資格やスキルが必要なのか。また、ペットシッターの仕事内容や給与などに視点をおいて解説します。

ペットシッターが近年必要とされる理由

飼い主の生活様式やペットへのニーズの多様化により、ペットシッターの需要は急速に高まっています。

近年は共働きや一人暮らしなどの世帯が増え、ペットを飼いたいと思ってもなかなか十分なお世話ができない状況が生まれています。

飼い主が留守にしがちな場合、ペットホテルに預けるよりも自宅で見守ってもらえるほうがストレスが少なく、ペットへの配慮につながります。こうしたニーズを受け、ペットシッターの活躍の場は拡大し続けています。

飼い主にとって、愛猫や愛犬を環境の変化なく預けられる点は大きな安心材料です。高齢者が多頭飼いをしているケースや、離れて暮らす家族のサポートが期待できないケースでも、ペットシッターがきめ細かく援助してくれます。

将来的にもペットを取り巻く需要はさらに伸びると予想され、ペットシッターは今後の活躍が期待される職業となっています。

ペットシッターの仕事内容

ペットシッターは、ペットの健康を守り、飼い主の信頼を得るために多岐にわたる業務をこなします。

動物のお世話・健康管理


いままでペットを預けるときはペットホテルが主流となっていましたが、やはりいつもと違う場所での生活はペットにとってもストレスがかかるものです。
その点ペットシッターは、普段通りの生活の中で必要なお世話をするのでペットの負担が減るというのが利点です。
また、ペットホテルは預かりがメインとなりますが、ペットシッターはお世話がメイン。
勤務時間も様々で、依頼主の使い方に合わせた対応が必要になります。
指定された時間に伺うことが多いですが、一日お世話をすることがある場合もあります。

飼い主への報告・コミュニケーション

前もって飼い主とペットとの顔合わせをし、カウンセリングを行います。
いつもの散歩コースの確認や好きな遊び、また自宅での業務の為、入ってはいけない部屋や飼い主からの要望などの確認も必要です。
ペットシッターは飼い主の自宅の鍵をお預かりしてペットのお世話をするため、顔合わせでの飼い主からの信頼を得られるかどうかも重要な要素です。

投薬や体調不良時のケアを頼まれることもあり、場合によっては獣医と連携する場面も出てきます。

お世話をするだけでなく、飼い主とのコミュニケーションも欠かせません。ペットの様子を報告しながら、安心感を提供することが信頼に直結するのです。

ペットシッターの1日の仕事の流れ

ペットシッター当日の仕事内容は、食事の準備、お散歩、掃除や健康管理、しつけやトレーニングなど様々です。
また、ペットシッターは犬猫だけでなく、さまざまな種類の動物たちのお世話をします。
うさぎや爬虫類、鳥類など、幅広い動物たちのお世話をする場合もあります。

投薬や点滴などの医療行為の代行はできませんが、介護や通院の代行などを行う場合もあります。
ペット代行は飼い主が不在の場合だけでなく、足の不自由な飼い主に代わってお散歩を代行するなど、飼い主の要望に合わせた対応をしていきます。

これらの点において、ペットホテルと大きな違いがあります。
また、業務終了後には飼い主にペットの動画や写真を送るなどのシッティング報告(お世話に関わる報告)を行います。

信頼関係が何より必要なお仕事。
また預けたい!と思ってもらえる信頼関係が築ければリピーターとして何度も利用してもらえます。
ペットと飼い主の双方が安心して利用できるような、細やかな心配りのできるペットシッターを目指しましょう。

ペットシッターの魅力とやりがい

ペットシッターの仕事は動物が好きな人にとって、大きなやりがいと成長機会をもたらします。

日々さまざまな動物と触れ合うため、動物好きにはたまらない喜びがあります。ペットの個性や性格を理解し、最適なお世話を提供できたときの達成感は格別です。さらに、飼い主の安心を支える仕事としての責任感も、モチベーションにつながるでしょう。

また、飼い主や動物との信頼関係を長期的に育んでいく楽しさもこの仕事の大きな魅力です。定期的に訪問することで、ペットが喜んで迎えてくれる瞬間など、やりがいを強く感じられる場面が多々あります。自分の知識と経験を積み重ねるほど、より幅広いペットのケアに挑戦できるのも魅力的なポイントです。

動物好きが活かせる仕事

動物を心から愛する人にとって、仕事を通じてその情熱を発揮できるのは何よりの喜びです。たとえば、犬が大好きであれば散歩や遊びに力を入れ、猫が好きであればリラックスできる環境づくりを工夫するなど、自分ならではのケアスタイルを確立できます。そうした個性を活かすことで、より良いサービスを提供できるでしょう。

飼い主や動物との信頼関係を築く喜び

ペットシッターを定期利用してくれる飼い主は、ペットを家族として深く愛しています。そんな大切な家族を任されることで、責任感と同時に大きな信頼を感じられるはずです。ペットが自分の姿を見ると安心して寄ってきてくれるようになると、さらにやりがいが増していきます。

ペットシッターになるために必要な資格は

ペットシッターは無資格でもはじめられる仕事です。そのため、絶対にしなければならない勉強や、資格取得のための通学なども必要もありません。
しかし、大切な家族のお世話をしてもらう時、資格がある人とない人だったらどちらを選びますか?
正しい知識や技術を持った人に預かってもらいたいと思うはずです。
またペットシッターを選ぶ際にも、こうした資格をしっかりと取得していることは安心して預けられる信頼の証の一つとなります。

ペットシッターになるために取得しておくとよい資格を紹介します。

·認定ペットシッター
·ペットシッター士
·愛玩動物飼養管理士(1級・2級)
·愛犬飼育管理士
·家庭動物管理士 etc

認定ペットシッター

業界団体や一般社団法人が認定する民間資格で、実務に即したカリキュラムを学ぶことが可能です。

取得後は、名刺やホームページにも資格名を掲載できるため、顧客獲得の面で大きなプラスになります。ペットケアの実践的なノウハウを体系立てて学べる点も大きな魅力です。

ペットシッター士

ペットシッター士は基礎的な動物ケアから飼い主対応まで、総合的なスキルを学べる資格です。通信講座やセミナー形式など、多様な学習スタイルを提供している団体もあります。資格取得後は、飼い主とのコミュニケーションに自信を持って取り組みやすくなるでしょう。

愛玩動物飼養管理士・愛犬飼育管理士

これらの資格は動物全般や犬の飼育について深く学べるため、ペットシッターとしての知識を底上げするのに役立ちます。広範な知識を得られることから、さまざまな種類のペットのケアにも活かせるのが強みです。

飼い主からの信頼を得るためにも、積極的な資格取得は大切なステップになります。

資格取得の方法と有用性

ペットシッターとして有用な資格は民間資格の為、主催する団体や協会によって試験内容も様々です。
取得する方法としては、通学するかもしくは 通信講座を受講するなかで知識を学び、最終的に資格検定試験もしくは認定試験に合格することです。
さまざまな資格のなかで、どの資格を取得するかを考え、それぞれの資格に合わせた対策が必要です。

また、動物業界においてペットシッター以外の就職を考えた際などにも、これらの資格は大いに活用できます。

たとえば、ドッグトレーナーですが、この仕事はペットシッターとしての業務を兼ねることもあります。お世話というよりはしつけに関する業務がメインとなる仕事ですが、近年ではペットシッターの業務の中にしつけ代行の仕事も含まれる場合もあるため、ドッグトレーナーとしての知識もあった方が働きやすい場合などがあります。

その様に、あらかじめ知識を豊富に持っておくことで対応できる業務の幅が増えるため、顧客のニーズに沿った柔軟な対応が可能となります。

資格取得は確かな知識を持っているという証明になり、大きなアピールポイントとして活用できます。
そのほかにもトリマーや動物看護師などの資格があれば、より専門的なケアが可能になり、飼い主に信頼されることはもちろん、他のシッターとの差別化もできます。

安定した働き方のためには、一つでも多くの資格取得をお勧めします。

ペットシッターに向いている人は?

まず第一に、動物が好きな人です。ペットシッターは飼っているペットのお世話とは違い、普段は別の家族と生活しているペットをお世話します。
ペットの性格や好みも様々なため、普段動物と接することがあまりない人は対応が大変かもしれません。
しかし、動物が大好きな人からすると毎日たくさんの動物たちと触れ合うことができるのは大きな喜びになります。

ペットシッターは命を扱うお仕事でもあります。そのため、ペットシッターに向いている人の特徴のひとつに責任感が強い人も挙げられます。
お世話をしている間にペットが誤飲しないか、えさの量は適量か、病気の兆候はないかなどの注意をする、健康管理も大事なお仕事です。
また、飼い主の不在中にお世話をすることが多いため、鍵の管理や住宅の安全管理にも細心の注意を払う必要があります。

そのほかにも、信頼される人柄やコミュニケーション能力が高い人などもペットシッターに向いている人として挙げられます。
ペットが安心できる動物の扱いだけでなく、依頼主にもこの人なら預けられると思ってもらえるような、人と人のコミュニケーションも大切になります。
要望をしっかりとくみ取る理解力や、コミュニケーション力に加えて、たくさんのシッターがいる中でこの人にまたお願いしたいと思ってもらえるような“心づかい“が信頼につながります。
信頼関係を築くことができれば、リピーターとして長く利用してくれることもあり、努力や心づかいが評価に繋がるのは大きなやりがいになります。

ペットシッターの給料・年収・キャリアプラン

ペットシッターの平均年収は219万円程度、平均月収は18万円〜20.4万円といわれています。※

キャリアガーデン

しかしながら、ペットシッターの平均賃金は、公的なデータでは開示されていません。

基本的に会社に所属しているペットシッターの雇用形態は契約社員やアルバイトが多く、正社員としての雇用は少ない傾向にあり、賃金形態は様々です。しかし、毎月一定の金額を受け取る月給制というよりは、出来高制の企業の方が多くなっています。

依頼を受けた時間数に応じて給料に差が出るため、頑張りが給料という形で目に見えるのは大きなメリットですが、その分事情があり働けないといった場合などには給料が少なくなるため注意が必要です。

飼い主さんからの信頼を得て依頼が増えていけば、多く稼げるチャンスがあります。

また、ペットシッターの需要が多くなる時期は世間が大型連休である、お盆や年末年始、夏休み期間などになります。
そのため、需要の多い期間中は割増料金が発生し、給料がアップすることもあります。

就職の際には企業によっての違いなどをしっかりと把握し、あらかじめ企業研究をしておく必要があります。

 

ペットシッターがキャリアアップするには


ペットシッターは開業する人も多く、独立して成功すれば自分で決めた料金設定で働けるため高収入も期待できます。
ペットシッターとして開業するためには、保健所が管理する動物取扱責任者という資格を取得する必要があります。
この資格取得のための条件として

  1. 獣医師の免許を取得していること
  2. 愛玩動物看護師の免許を取得していること
  3. 半年以上の実務経験があり、所定の教育機関を卒業していること
  4. 半年以上の実務経験があり、所定の資格等を取得していること

のいずれか一つを満たしている必要があります。※

動物取扱責任者等(東京都動物愛護健康センター)

さらに、第一種動物取扱業の「保管」の 種別で登録申請・認可が必須です。
登録申請を行い審査に通れば開業することができますが、一定の基準をクリアしなければなりません。
・資格要件を満たした動物取扱責任者を事業所に配置すること
・事業所でペットの世話を担当する職員も動物取扱責任者と同じ資格要件を満たしていること

この基準は地域によって若干の違いがありますので、申請前に各都道府県の動物愛護センター等で確認しておくことをおすすめします。
登録を受けずに開業し、ペットシッターの仕事をすると動物愛護管理法違反となり罰金処分が下ります。
しかし実務経験や関連学校・関連資格の取得ができていれば問題なく審査は通過することが多いようです。

上記のような体制を整えるだけでなく、長期的にペットシッターとして活躍するには、リピーターの確保や定期契約が大きな鍵となります。ペットの健康相談やグルーミングなどの付加価値サービスを提案することで、さらに収入を伸ばすことが可能です。自分の得意分野を活かしながら差別化を図るのも、キャリアを築く上で重要なポイントです。

将来ペットシッターとして開業を視野に入れている人は、ペットサロンオーナーになるにはの記事も参考にしてみてください。

ペットシッターの就職先・働き方

前項で触れたように、ペットシッターの就職先としての第一ステップはペットシッター会社に正社員、派遣社員、アルバイトのいずれかで就職することです。

ペットシッター会社での勤務

ペットシッター会社では、お世話の依頼が入った際に会社側がペットシッターを派遣する場合と、登録制で案件ごとに仕事を任される業務委託の場合があります。

ペットシッター会社だと研修制度が整っているところも多いため、未経験者でも働きやすい就職先として人気です。

ペットショップや動物病院でのアルバイト・勤務

また、ペットホテルやペットショップ、動物病院でもペットシッターを兼任している場合もありますが、業務の一環としてペットシッターの仕事が行われているため、ペットシッター専任として雇われることはほとんどありません。

ペットシッターとしての動物のお世話に関する知識だけでなく、動物栄養学や動物健康管理・看護学などの幅広い知識や技術を身に着けておくことで、就職先としての幅が増えることや、就職後も早い段階で最前線で働くことが可能です。

独立開業の流れと注意点

独立を考える際は、まず動物取扱業の登録と動物取扱責任者の要件をクリアする必要があります。

開業にあたっては、事業計画や集客方法、経理や保険などの実務面も念入りに準備することが重要です。飼い主からの信頼を高めるためにも、資格取得や口コミ評価の向上が欠かせません。

そのほかにも第一種動物取扱業に登録している家事代行会社では、ペットシッターの仕事がサービスの一つとして行われている場合もあります。様々な場所でペットシッターの仕事は起用されていますが、常にペットシッターとして働きたいなら、ペットシッター会社への就職か起業してフリーのペットシッターとして働く選択肢が多いようです。

ペットシッターを目指す穴吹学園の学科は

穴吹ビジネス専門学校にはペットシッターを目指せる「動物看護総合学科(3年制)」と「動物健康美容学科トリマーコース(2年制)があります。


ペットシッターとして質の高いサービスを提供したい方には、動物看護総合学科での学びが最適です。この学科では、国家資格「愛玩動物看護師」の取得を目指すカリキュラムが整備されており、動物看護の専門知識と技術を身につけることができます。また、グルーミング技術も習得できるため、動物の健康と美しさの両方にアプローチする力が養われます。看護実習室やトリミング実習室は実際の動物病院を忠実に再現しており、実践的なスキルを磨く環境が整っています。ペットシッターとして即戦力となり、多様なニーズに応えるための基盤を築くことができるます。

動物健康美容学科トリマーコースでは、動物栄養学や動物健康管理・看護学を学ぶことで、ペットシッターに必要なスキルを身につけることができます。
また動物取扱業者として必要な適性飼育や法律について学ぶことで、愛玩動物飼養管理士試験合格へ導きます。
そのほかにもジャパンケネルクラブ(JKC)トリマー養成協力機関校として、在学中に校内でJKC公認トリマーの試験を受けることが可能となっており、学校が運営するトリミングサロンで一般家庭のワンちゃんをお預かりしています。毎日のように実習ができるため、実践的なカリキュラムでトリミングの技術もしっかり身につけ、トリマーの資格を有することでペットシッターの幅を広げることも可能です。

さらに、両学科とも。社会人としての知識の習得といったビジネスマナー、パソコンの基礎知識やビジネス文書作成等を学ぶのカリキュラムもあるため、将来的な独立開業を行えるほどの知識・技術を学ぶことができます。
動物への「愛情」を大切に、飼い主とペットの双方から信頼されるトッププロの人材を育成します。
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