大学と専門学校は、それぞれ学ぶ内容や目的、卒業後の進路など多くの違いがあります。将来のキャリアを考える上で、自分に合った進路かどうかを比較・検討することが大切です。本記事では、大学と専門学校の特徴やメリット・デメリット、向いている人の特長などを徹底解説していきます。

目次
大学とは?専門学校とは?
まず、大学と専門学校の基本的な定義や特徴を整理して理解を深めましょう。
大学と専門学校は、名称からもわかるように学習内容や教育目的に違いがある高等教育機関です。大学が幅広い教養や理論を学ぶ場である一方、専門学校は特定の分野に直結した実践的なスキルを身に付ける場としての性格が強くなります。どちらに進学するかは、卒業後の進路や将来の職業観と大きく関わるため、最初に両者の概要を把握しておくことが大切です。
大学とは何か?
大学は、理論や学術的な研究を中心に教養を広げる場所です。一般的には4年制で学士号が取得でき、学部によっては6年制の場合もあります。多様な分野の選択科目を履修できるため、自分自身の興味を深める余地が大きく、ゆくゆくは研究職や大学院進学といった選択肢も広がるのが特徴です。
専門学校とは何か?
専門学校は、特定の業界や職種に直結したカリキュラムを中心に学ぶことを目的とした教育機関です。修業年限は2年制が主流ですが、分野によっては3年制や4年制の学校も存在します。講義だけでなく実習が重視されるため、より実践的な技術を早い段階で身に付けたい人に向いています。
専門学校には「認可校」と「無認可校」がある
専門学校には、文部科学省や都道府県から正式に認可を受けた学校と、そうでない無認可の学校が存在します。認可校は修業年限や設置基準などが整備されており、卒業後に大学への編入もできる専門士の称号を得られるケースも多いです。公的な支援制度や卒業後の資格認定の面でも認可校のほうが有利な場合があるため、進学前に確認しておく必要があります。
無認可校のデメリット
無認可校は学費サポートの対象外となり、学割利用ができない場合があります。また、卒業後の資格取得が難しかったり、就職活動で認可校と比較されることもあるため、将来の進路を考えるうえではデメリットとなる可能性があります。もちろんカリキュラムが充実している無認可校もありますが、長期的なメリットを考慮し、認可状況と学習内容の両方をしっかり調べることが大切です。
大学と専門学校の学びの違い
次に、学べる内容や修業年限、カリキュラムの特徴を比較してみましょう。
大学は4年間かけて基礎から高度な理論まで体系的に学び、幅広い教養を身に付けることができます。一方で専門学校は2年間(分野によっては3年制や4年制もあり)という比較的短期間で、就職に直結した実践的スキルを集中的に学ぶという特徴があります。自分が求める学習スタイルが「理論・研究中心」か「実務・技術中心」かで、進むべき進学先も変わってくるでしょう。

教育内容と修業年限を比較
大学では学問の基礎を学ぶ期間が長く、研究や実験などを通じて理論を深く理解します。4年をかけて幅広い教養科目にも取り組むため、興味がある分野を多角的に検討できるのが利点です。一方、専門学校は2年で専門技術を集中的に学ぶため、卒業後は即戦力として企業や業界での実践に役立つことが期待されます。
カリキュラム編成と柔軟性
大学の場合、選択科目が多数用意されており、自分の興味や将来の進路に合わせて履修計画を立てやすいです。ただし、その分自己管理が必要であり、幅が広すぎて卒業後の進路が定まりにくいという面もあります。専門学校は職業教育に特化したカリキュラムがあらかじめ組まれており、実習や現場実習を通じて確実に技能を身に付けられるため、知識と実務を一体で学びたい人に向いています。
大学と専門学校で向いている職業が違う
将来就きたい職業や身に付けたいスキルによって、大学と専門学校のどちらが有利かが変わります。
大学か専門学校かを選ぶ際には、将来のキャリアプランが重要な判断材料になります。企業によっては、大卒であることが条件となる場合や、専門学校卒でも高い専門スキルが評価される場合とさまざまです。自分が目指す業界の採用実態や、資格取得のしやすさなどを確認しておくと選択しやすいでしょう。
大学進学が向いている職種
大学への進学が有利な職種としては、研究開発や高度な理論が必要とされる分野、公務員や教員などが挙げられます。また、総合職として大企業に就職する場合も、大卒であることを採用条件にしているところが珍しくありません。大学院進学を通じて専門性をさらに高める道もあるため、知的スキルを活かした仕事を目指す人に向いています。
専門学校進学が向いている職業
専門学校は、美容師や調理師、看護師など特定の国家資格取得を目指す人、またはITやデザイン分野で実務に直結する技術を習得したい人に適しています。学習内容が資格や業界標準に合わせて組まれているため、卒業後すぐに現場で活躍できるのが強みです。学校によっては業界との連携が充実していることも多く、実習やインターンシップを通して就職内定に結びつけやすいのも大きな魅力です。
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費用面・学費サポートの比較
学費や奨学金などの費用面の比較は、進学先を選ぶ上で重要な要素の一つです。
進学する際に学費の相場や奨学金制度の有無を考慮することは、将来のキャリアプランにとっても大切なポイントとなります。大学と専門学校では在学期間が異なるため、総額で見たときの違いが大きくなることがあります。学費サポート制度には各種条件があるため、自身の家計や将来設計に合わせて最適な制度を選ぶとよいでしょう。
大学の学費・奨学金・支援制度
大学の学費は国公立か私立かによって差がありますが、一般的に公立大学のほうが学費は安価です。私立大学は学費が高い傾向にある一方、奨学金や授業料減免、特待生制度など、多様な支援策が用意されているところもあります。大学進学を希望する場合には、奨学金の種類や返還条件をしっかり調べ、自分に合った支援制度を活用することが大切です。
専門学校の学費・奨学金・支援制度
専門学校の学費は在学期間が短い分、一見すると大学よりも安く感じられます。ただし、分野によっては教材費や実習費がかさむ場合もあるため、トータルの費用を確認することが重要です。最近は専門学校独自の奨学金制度を設けている学校も増えており、一定の成績や出欠状況によって学費を一部免除してくれるケースもあります。また大学と同様に、専門学校にも給付型奨学金(修学支援新制度)の対象となる学校も多くあります。
入試制度や合格難易度のちがい
入試の仕組みや難易度、合格までの流れは大学と専門学校では異なります。
大学入試は一般入試や推薦入試、総合型選抜入試など多様な形態をとっており、学力試験の難易度は志望校や学部によって大きく変わります。専門学校は面接や書類選考を中心とした入試形態が多いため、比較的合格を得やすいと言われることもあります。ただし、学校ごとに募集定員の少ない人気コースなどもあるため、事前にしっかり調べておきましょう。
大学の入試形態と流れ
大学入試には、一般選抜での試験が中心となるケース、推薦選抜での面接や小論文を重視するケース、総合型選抜入試での課外活動の実績やプレゼンテーションが評価されるケースなどがあります。国公立大学では共通テストの結果を重視するところも多く、難易度や受験のハードルが高くなることが少なくありません。入試時期や募集枠が多様化しているため、自分に合った方法で力を発揮できる入試形態を選ぶとよいでしょう。
専門学校の入試形態と流れ
専門学校は、書類選考や面接など人物重視の入試を行うことが多い傾向にあります。特にAO入試では筆記試験よりも面接の比重が大きいため、その学校で学びたい意欲や具体的な目標をアピールしやすいのが特徴です。また、高等学校との連携強化を図っている学校では、推薦入試枠を設けて早い段階から合格を得られる場合もあります。
卒業後の進路と資格取得のポイント
大学と専門学校を卒業したあとの進路の違いや、どのような資格が取得しやすいのかを確認しておきましょう。
大学卒業後は企業就職や公務員試験の受験、大学院進学など幅広い道が用意されています。一方、専門学校卒業後は、保有スキルや取得資格を活かして専門職として早期に活躍する人が多いです。どちらの進路を選ぶにしても、在学中に目指す資格の種類や取得要件をよくリサーチしておくことが重要となります。

大学卒業の活かし方
大学卒業後は、幅広い知識と学士号を活かす形で大企業や研究職、公務員などに進むケースが多いです。特に研究や専門性の高い職種を目指す場合には、大学院進学も視野に入れられます。学士号は将来的に転職を考える場合にも、一定の評価材料となる可能性が高いため、一度に多様な選択肢を検討できるのがメリットです。
専門学校卒業の活かし方
専門学校卒業後は、実践的スキルを武器にすぐに現場で働くことが期待されます。資格を取得することで業界からの需要が増し、就職活動にも有利に働くことが多いでしょう。資格更新やスキルアップの研修などを継続的に受けることで、早い段階でキャリアアップを実現できる可能性もあります。
就職先や職種の違い
大学卒業者は総合職や企画職など、知識の幅広さや学力をもとにしたポジションが得やすい一方、専門学校卒業者は即戦力として現場に直結する職に就くケースが多いです。企業によっては学歴によって初任給が変わることもあり、待遇面に違いが生じる場合もあります。ただし、実務経験を積むことで専門卒でも中長期的にキャリアを伸ばせるため、自分の得意分野や適性を見極めながら就職先を検討するとよいでしょう。
大学・専門学校それぞれのメリット・デメリット
大学と専門学校には、それぞれに異なる長所と短所があります。総合的に比較しましょう。
進学先を選ぶ判断材料として大切なのは、大学と専門学校のメリット・デメリットを客観的に把握することです。学習スタイルや卒業後のキャリアビジョン、費用面といったさまざまな観点から考えると、自分に合った進路がより明確になります。ここでは代表的なメリット・デメリットを挙げながら、それぞれの特徴を整理していきましょう。
大学のメリット・デメリット
大学の主なメリットは、幅広い教養を身に付けられることと、学士号という学歴が就職やキャリア形成で一定の評価を得やすい点です。また、多彩な学部や研究室があるため、自分の興味を追求する時間も充分に確保できます。一方で、学費が高額になりやすく、卒業までに4年という期間を要するため、早期に実務経験を積みたい人には向いていない場合があります。
専門学校のメリット・デメリット
専門学校のメリットは、短期間で特定分野の技術を集中的に学び、資格取得を目指しやすいことです。就職先も明確になりやすく、インターンシップや実習を通じて現場経験を積みながら卒業後のキャリアアップも狙いやすくなります。一方、特化した分野に注力しているため、卒業後にまったく別の分野へ転向を考えるときには、改めて学習し直す必要があるなど、分野変更の柔軟性が低い面も存在します。
大学・専門学校に向いている人の特徴
自分の目指す将来像や得意分野に合った進学先を選ぶためには、向き・不向きを明確にすることが大切です。
適性や目標によって、大学が合っている人、専門学校が合っている人は大きく異なります。自分自身の性格や学習スタイル、将来のキャリア像を踏まえながら、どちらを選べばより充実した学生生活と円滑な社会人生活が送れるかを見極めることが重要です。

こんな人には大学がおすすめ
幅広く学びたい、もしくは研究分野を深掘りしたいという知的好奇心の強い人には大学が向いています。将来の方向性がまだ漠然としていて、いろいろな分野を学びながら進路を絞り込みたい人にとっても、自由度の高い大学は魅力的です。また、学歴を生かした大手企業の総合職や公務員を目指す場合には、学士号が強みとして活かせるケースが多いでしょう。
こんな人には専門学校がおすすめ
早期に実践的なスキルを身に付けて就職したい、あるいは明確に就きたい職業が決まっている人には専門学校が適しています。モチベーションが高い状態で具体的な技術を習得できるため、業界へ飛び込みたいという意欲が高い人にぴったりです。また、資格取得を重視する業界を目指す場合や、最短で現場経験を積みたい人にとってもメリットが大きいでしょう。

大学と専門学校で迷ったときの選び方
将来の仕事観や得意分野、学費や学習期間の違いを踏まえて、自分に合った進路を見極めるためのポイントです。
大学と専門学校のどちらに進むか迷った場合は、将来的な職業観だけでなく、自分の学習の好みや予算、卒業後の目標タイムラインなどを整理することが重要です。例えば、幅広い分野に興味があり、可能性を探りながら学習したいなら大学が向いているかもしれません。一方で、学費や在学期間を最小限に抑え、早く就職したい場合は専門学校を選ぶと目標を達成しやすくなります。自分の性格やライフプランに合致する道を見つけるために、オープンキャンパスや説明会への参加をおすすめします。

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まとめ:自分のミライに最適な進路を選ぶ
大学と専門学校それぞれの特徴を理解し、自身のキャリアプランに合わせて最適な進路を選びましょう。
大学は理論的学習を深められ、学士号という学歴面で有利な立場を得られる一方、専門学校は即戦力となる技術や資格を短期間で習得できる利点があります。将来就きたい仕事の内容やライフプラン、学費面を総合的に考慮し、自分に合った学校選びをすることが大切です。どちらを選んでも、在学中の学習意欲や行動力が卒業後のキャリアを大きく左右するため、進路決定後も目的意識を持って学び続けましょう。