日本料理人/和食料理人/板前になるには|仕事内容ややりがい、給料・必要なスキルについて

日本料理/和食料理人とは/板前とは

 日本料理/和食とは、四季折々の旬な食材を生かして料理し味はもちろんのこと、器や盛り付けといった見た目(色彩)でも楽しむ日本独自の料理です。

 日本の伝統的な食文化を尊重し、継承している料理人ですね。呼び名は日本料理人・和食料理人・板前など様々です。

 日本料理/和食には、懐石料理や寿司・天ぷら・お吸い物などいろいろありますが、日本料理はシンプルな調理法や調味料を重要視します。それは、食材の持っている本来の味を引き立てるためです。

 調理法も、焼く・煮る・揚げる・蒸すなど、食材に合わせて調理をしていきます。

日本料理人/和食料理人になるには

 日本料理人/和食料理人/板前になるには、調理師免許を持っている必要があります。

 ただし、初めから持っていないといけないわけではなく、働きながら取得する人もいます。一人前になるには非常に大変で、一般的には下記の段階を踏んでいくと言われています。

 (1)追い回し・下積み
 (2)八寸場・盛り付け
 (3)焼き場、揚場
 (4)蒸し場、煮方
 (5)板場

 それぞれ、どのような内容なのでしょう。詳しく説明すると

(1)追い回し・下積み
 新人は必ず追い回しと呼ばれるポジションに配置されます。

 追い回しとは、掃除・皿洗い、器の用意、野菜の下処理を行います。下処理が上手くできるようになると桂剥きなど包丁の使い方を教えてもらいます。

 新人の頃は、雑用も立派な仕事です。まずは1日の流れを把握し、先輩たちが何をしているのか理解します。1~2年は追い回しを担当することになるでしょう。

 長い下積み生活・・などと聞くこともありますが、実際はそこまでかかることは少なく、追い回しを修了すれば、それぞれのポジションを1年程度でこなしていくことが理想です。

 下積み時代に、先輩たちがどう動いているのかをきちんと把握しておきましょう。

 特に、段取りが大切ですね。料理を作って、器に盛りつけてお客様に提供するまでが一連の流れ。熱いものは熱いうちに提供するために、どうしたらいいかなどこの時にしっかりと覚える必要があります。

 また下積み時代は、まかない作りを担当することが多くなります。限られた予算と時間の中でメニューを考えて調理しなければなりません。まかないは先輩へのアピールになるのでしっかりメニューを考えて味付けを整えておきましょう。

(2)八寸場・盛り付け
 八寸場・盛り付けはその名のとおり、料理の盛り付けを担当します。

料理において、美しく見せるための盛り付けは重要な要素です。

 コース料理であれば、お客様の食べるスピードに合わせて盛り付けをしていきます。ほかの持ち場を見つつ、お客様の食べるスピードに合わせて盛り付けをしていく必要がありますね。

 先輩の盛り付けを見ながら、実力をつけていきましょう。

(3)焼き場、揚げ場
 焼き場、揚げ場の担当になると、ここでようやく下積みが終わったと言われます。

 ここでは、焼き台などを使って焼き物やてんぷらなど加熱料理をすることができます。

 焼き場と揚げ場で大事なことは焼く・揚げる技術とスピードが大事ですね。下積み時代の手際と段取りが生かされるところでもあります。

(4)蒸し場、煮方
 蒸し場と煮方は味付けをする大切なポジション。料理の味付けすべてをチェックする役目のため、板場よりも煮方のポジションを重要視するところもあるくらいです。

 出汁をとったり、茶わん蒸しを蒸したり、お吸い物を作ったり、お店の伝統的な味を守っていくポジションです。

 ここまでくると、下積みの若手の育成も任されます。

 ただ大変なことも。味付けをチェックする役割なので、普段から濃い味付けのものを食べないなど気を配ることも必要になります。

(5)板場
 最後はお刺身を担当する板場になります。和食(日本)料理店では、やはり板場は花形であり、一番重要なポジションと言われています。

 技術はもちろん、相棒である包丁を大切に扱い、おいしいお刺身を作れるようにしておかなければなりません。

日本料理人/和食料理人/板前の活躍の場所は

 多くの人が、就職先としてホテルやレストラン・料亭や旅館を選び活躍しています。人によっては、海外の日本料理店などで活躍するひともいるでしょう。

 和食は2013年に、ユネスコ無形文化遺産として登録されているので、海外でも注目されている料理です。

 経験を積めば、和食料理人/日本料理人/板前として、自分のお店を出すこともできますね。

 未経験から就職し目指すことももちろんできますが、一人前になるにはかなり時間がかかります。

そのため調理師専門学校で、さまざまなスキルを身につけることがおすすめです。専門学校では、基礎の基礎から技術や知識を習得することができます。講師もその道のプロで業界とのコネクションがあり、就職先なども紹介・斡旋してくれる場合もあります。

必要な資格やスキルは

 まずは、おいしい料理を提供するために、幅広い調理技術が必要になります。

 刺身の切り方だけでも、「平づくり」「そぎ切り」「細造り」「切りかけづくり」といった切り方があります。

 次に食材に関する知識。日本料理/和食は四季折々の食材を使ってつくります。

 日本には春夏秋冬、その季節の旬な食材がたくさんありますね。おいしい旬の食材を仕入れるため、食材の見分け方も必要なスキルです。

 例えば、魚の目は透明で、ハリやツヤがあり、皮がつやつやと輝いていることが鮮度の証などといった食材ごとの知識が必要です。

 資格もたくさんの種類がありますので、ご紹介しておきます。

 まずは、調理師免許です。就職時に調理師免許を持っていなくても雇ってくれる職場はあります。しかし、基本的には「調理師免許」が応募条件になっている職場も多いため、取得しておくとよいでしょう。

 調理師免許は養成施設を卒業するか、実務経験を積んだあとに試験に合格すると取得できます。

 次に専⾨調理師・調理技能⼠といった資格もあります。専⾨調理師・調理技能⼠はその名のとおり、より専門的な調理師の資格になります。

 取得しておくとより料理の実力を証明しやすくなります。調理師としてそれぞれの分野にて6~8年(この内、調理師免許を取得している期間が3年以上)の実務経験が受験資格となります。

 日本料理/和食を極めたい人は挑戦してみましょう。

参考:専門調理師・調理技能士について

 次に食品衛生責任者という資格です。食品衛生責任者は食品の衛生を管理する資格です。各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を受講すれば取得できます。

 飲食店には食品衛生責任者を常駐させなければいけない決まりがあるため、和食料理人として独立を考えている人は取得しておくとよいでしょう。

参考:広島県 食品衛生責任者について

 最後にふぐ調理師免許という資格についてです。ふぐ調理師免許はふぐを調理するための技術や知識を証明する資格です。

 和食で、ふぐは人気のある食材です。持っておくと就職の際に有利になるでしょう。

 受験資格や難易度は都道府県ごとに異なるので、チェックしておきましょう。

参考:広島県 ふぐ調理師免許について

日本料理人/和食料理人/板前の年収について

 公的なデータとして、年収は公表されてはいませんので、求人情報などを参考に算出すると、平均的な調理業界での年収は240万円~700万程度となります。

 修業期間中はもちろん、給料は少ないですし、料理長などといった役職についている、独立しているなどによって、年収は大きく変わってきます。

 独立して人気店になれば、高所得も夢ではありません。

参考:インディード

日本料理人/和食料理人/板前をめざすアナブキの学科

 穴吹調理製菓専門学校には、調理師をめざせる「高度調理学科(2年制)」があります。作る幸せ・食べる幸せの両方を提供し、食を通して心を豊かにすることを基本として、さまざまな調理技術とスキルを学べます。

 穴吹独自のカリキュラムとして、1年次には和・洋・中の料理と集団調理を中心に学び、2年次からは西洋料理と日本料理の専攻を選択し、技術を深めることができます。そして覚えるレシピは730品目と、圧倒的な実習量で幅広い調理技術が身につきます。

 また、特別実習として有名ホテルの料理長やオーナーシェフを招待し、現場のプロから直接講義を受けることができます。もちろん、学ぶのは調理技術だけでなく、テーブルセッティングや接客用語、オーダーから料理提供までの流れも習得します。

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