フードコーディネーターとは

 

フードコーディネーターは食に関する幅広い知識を持ち、料理人や栄養士、商品開発者などと一緒に食に関する企画やコーディネートを行う仕事をする人です。

聞いたことはあるけれど具体的にどんな仕事をするのか知らない、という人も多いのではないでしょうか。

フードコーディネーターは、“食”のスペシャリストです。仕事内容は商品開発に関わったり、テレビ番組や雑誌の撮影に使う料理のテーブルコーディネートなど働く場所も環境もさまざまで、その業務も多岐にわたります。

この記事ではそんなフードコーディネーターのお仕事について詳しくご紹介します。

フードコーディネーターの仕事内容

フードコーディネーターの仕事内容を大きく分けると、大きく分けるとメニューの考案等の「開発」・フードスタイリングなどの「演出」・フードに関するイベントの企画などの「マネジメント」といった3つの業務があります。

開発

食品メーカーなどの企業の商品開発をおこなうのも、フードコーディネーターの仕事の一つです。企業の商品企画部の人と話し合いながら新しく販売する商品の提案や既存の商品の改良、販売方法を含めたプロデュースを行います。

その他にも管理栄養士の人一緒に福祉施設や病院などの特定の食材が食べられない人に向けたメニューの考案や、学校などの給食を通して食育を行う目的としたメニューを考えることもあります。

演出

演出とは、料理の盛り付け方からSNS映えする写真の撮影など業務はさまざまです。

レストランやホテルなどで提供する料理の盛り付けをシェフと一緒に考えたり、テレビ番組などで使用する料理の盛り付け、またはその料理が映えるテーブルのセッティング、雑誌やSNSなど写真を必要とするメディアへ料理が魅力的に見える撮り方などを考えます。

また、レストランなどの内装コーディネートをすることもあり、色やデザインについての知識をもっていることも大切です。

マネジメント

レストランなどの飲食店のプロデュースや、料理教室の運営、食に関するイベントやセミナーを開催することもあります。
イベントなどのプロジェクト全体の進行管理や大きなイベントの場合はスタッフやチームの管理、予算・コスト管理などもフードコーディネイターが主体となって行う場合があります。

また、食育のメニュー考案だけでなく、どのように食育を進めていくのかそのプログラムを考えることもあります。
それらは商品や店舗のブランドイメージに合ったメニューや演出の提案といった、ブランディングやマーケティングの視点を含めた提案のため、幅広い食への知識が必要となります。
飲食業界やメディア業界など、関わる業界によって少し内容が変わる場合もありますが、基本的には「総合的なプロデュース力」が求められる仕事です。

フードコーディネーターに必要な資格とスキル

フードコーディネーターとして働くためには必ずしも資格は必要ありません。

しかし、フードコーディネーターは食に関する多種多様な知識が必要です。食事は体の健康などにも直結するため、資格を有していると信頼の証にもなり、就職の際にも役立ちます。

独学で勉強し資格取得を目指す方法もありますが、大学、短大、専門学校に進学し勉強して知識・技能を身につけて資格の取得をめざす方法もおすすめです。

フードコーディネーター資格認定試験

フードコーディネーター資格認定試験は、日本フードコーディネーター協会が認定する「食をトータルにプロデュースできる人」になるための資格です。料理だけでなく、栄養・見せ方・商品開発・イベント企画など、食の世界を幅広く学ぶ人に向いています。現在この資格は、日本でフードコーディネーターについての唯一の資格です。


試験は1級から3級まであり、全てマークシート形式の筆記試験です。まずは3級を取得してから、ステップアップしていく流れです。

試験の内容は、
3級:食に関わる「文化」「科学」「デザイン・アート」「経済・経営」

2級:「食市場の動向とマーケティング」「商品開発」「レストランプロデュース」「食の表現と演出」など

1級:「レストランプロデュース」「商品開発」「フードプロモーション」より1つ選択し、企画書を提出。企画書を基にプレゼンテーションを行う。

上位の級ほど実用的な試験内容となるので、フードコーディネーターとして働き始めてから上位の級の合格を目指す人も多く、キャリアアップにもつなげていくことができるでしょう。

参照:日本フードコーディネーター協会HP

調理師

試験を受けるための条件(受験資格)が決められているので注意が必要です。

【受験資格のルール】どちらかの条件を満たさないと、試験を受けることができません。将来の進路を選ぶときに覚えておいてね。

方法A: 料理の現場で2年以上働いた経験があること。

方法B: 調理師養成施設になっている専門学校や高校(養成施設)を卒業すること。

【試験で問われる内容】

料理の技術(調理理論)だけでなく、食に関する幅広い知識も必要になります。具体的には、栄養や安全のための衛生の知識など、全部で6つの分野が出題されます。試験はすべてマークシート方式となっています。

【資格の大きなメリット】

調理師は、国が認めた国家資格です。一度この資格を取れば、一生涯あなたのスキルとして使うことができます。

製菓衛生師

「製菓衛生師」の資格も、調理師と同じく国が認めた大切な国家資格の一つです。

この資格を持っているということは、単にお菓子作りの技術がある、材料に詳しいというだけでなく、安心して食べられる「安全なお菓子」を作るための知識と技術を持っていることの証になります。

【試験を受けるための条件】

調理師と同じように、この試験を受けるにも条件(受験資格)があります。専門の学校(養成施設)で学ぶか、またはお菓子作りの現場で2年以上働く経験が必要です。

【試験の内容】

法律や公衆衛生、栄養、食品の知識(食品学、食品衛生学)に加え、製菓の理論実技に関する問題が出題されます。科目は全部で6つ。すべてマークシート方式で出題されます。

【進路選択のアドバイス】

調理師も製菓衛生師も、専門の学校(養成施設)で学ぶことが、試験を受けるための条件の一つになっています。

将来、料理やスイーツ、食のプロ(フードコーディネーターなど)になりたいなら、大学、短大、専門学校といった学校へ進学することが、夢への一番の近道になるでしょう。

食の楽しさを伝える資格

食の仕事には、他にもユニークな資格がたくさんあります。

たとえば、「フードアドバイザー」「フードインストラクター」、そして食卓を素敵に演出する「食空間コーディネーター(テーブルコーディネーター)」など、食の大切さや楽しさを人に伝えるための資格です。

【「フードコーディネーター」と「フードスペシャリスト」の違い】

「フードコーディネーター」とよく似た資格に「フードスペシャリスト」があります。少し違うので知っておきましょう。

フードコーディネーター: 食べ物をおいしく見せる企画や演出、プロデュースなど、「表現」を活かした仕事に就きたい場合に取得するといいでしょう。

フードスペシャリスト: 栄養、食品の働き、安全など、「科学的な専門知識」を活かした企画やアドバイスをする仕事に就きたい場合に取得するといいでしょう。

【複数の資格を持つメリット】

フードコーディネーターとして働く場合、フードスペシャリストの資格も持っていると、「表現力」「専門知識」の両方から食にアプローチできるようになります。

このように、食に対して多方面からアプローチできる人は、企業、飲食店、学校、福祉施設など、どんな分野でも必要とされ、活躍の場が大きく広がります

食に関わることすべてを仕事にするフードコーディネーターにとって、今回紹介したような様々な資格を取ることは、実際の仕事を進める上でとても役に立つでしょう。

フードコーディネーターに向いている人は?

フードコーディネーターにとって一番大切なのは、“食”に関して興味があるということです。料理をするのが好きな人、食べることが好きな人はもちろん、食品の栄養に関心がある人、メニュー(レシピ)を考えることが好きな人、また出来上がった料理をおいしそうに見せることに関心がある人も向いているといえるでしょう。

“食”に関するあらゆる分野で活躍するフードコーディネーターは、様々な分野への興味関心が高い人が向いています。トレンドにも大きく左右される業界なので、常にアンテナを張って新しいことを学び挑戦できる人が活躍できる仕事です。

また、食を通して人を喜ばせることができる職業でもあるため、人を喜ばせることが好きな人は大きなやりがいも感じられるでしょう。

フードコーディネーターの給与・年収

フードコーディネーターは、企業に勤める場合と、フリーランスとして働く場合によって大きく給与・年収が異なります。また、フリーランスの場合は経験や能力に個人差もあります。

企業に勤め商品開発などに携わる場合、平均年収は400万円ほどで一般的な会社員と同じように勤務先の企業や経験年数によって変わります。

またフリーランスとして働く場合には収入の個人差が大きく、テレビ番組などで活躍するフードコーディネーターは年収が数千万という人もいるようです。

フードコーディネーターの就職先・将来性は

企業に務める場合、食品メーカー、飲食店会社などだけでなく、広告会社やデザイン会社などに勤めテーブルコーディネートなどの仕事をすることもできます。

他にも学校や病院などで給食のメニュー考案や、食育のマネジメント、料理教室での講師など、就職先は様々です。

企業によっても、商品開発をするのか、テーブルコーディネートをするのかなどメインの業務にも色々違いがあるため、自分が働きたいと思う環境をしっかり見極めることが大切です。

そのほかにもフリーランスとして働く場合もあり、フリーランスでは仕事内容によって業務も多様です。企業などから依頼をしてもらえるようなスキルを備えたフードコーディネーターになるには食品業界での職務経験は大切になるため、企業に勤めたのち、独立してフリーランスとして働く人も多いようです。

トレンドに敏感である必要がある仕事でもありますが、SNSやメディアとの親和性が高く、ITに強いフードコーディネーターとして働くことができれば活躍の場は幅広くありそうです。

フードコーディネーターは「食の魅せ方・伝え方」を担う仕事として、今後も新たな分野との融合が期待される職種です。
ただし、資格や肩書きだけで仕事が舞い込むわけではないため、「自分の強みを活かし、変化に対応できる力」が重要になります。

どんな形で「食」と向き合いたいのか、将来像を明確にしながらスキルを磨いていくと、将来性も大きく広がります。

フードコーディネーターを目指す穴吹学園の学科

穴吹調理製菓専門学校には、フードコーディネーターを目指せる学科が2つあります。

調理師の免許取得が目指せる「高度調理学科」、製菓衛生師・菓子製造技能士の資格取得が目指せる「パティシエ・ベーカリー学科」の2つはどちらもフードコーディネーターの資格を取ることもできます。

調理技術だけでなく、衛生学や食文化についての授業はもちろん、テーブルコーディネート、フードデザインなども学ぶためフードコーディネーターに必要な知識や技能を身につけることができます。

また、レストラン実習・カフェ実習では料理の提供の仕方や接客などを学び、食に関するサービスの知識・技能を身につけます。

食に関する知識・技能を幅広く学ぶことができる穴吹調理製菓専門学校で、フードコーディネーターを目指しませんか。