警察官になるには|仕事内容ややりがい・試験について・年収などを解説
警察官
警察官とは犯罪捜査や防犯指導、交通安全などのパトロールといったさまざまな形で、市民の暮らす社会を安全に維持する仕事です。ちなみに「警察職員」との違いは仕事内容で変わり、警察職員は犯人の逮捕や交通の指導、取締りなどは行いません。そんな日常生活を送る上で欠かせない警察官の仕事、なり方をご紹介します。
警察組織はとても複雑ですが、全国47都道府県に警察本部が設置されており、その所轄の中に警察署・交番などが含まれています。
そんな、日常生活を送るために必要不可欠な存在である警察官になる方法や仕事内容、必要な受験資格などをご紹介します。
警察官の仕事とは?
警察官の仕事のはさまざまな種類があります。
男性警察官が多いイメージを持っているかもしれませんが、女性警察も多く活躍しています。
■地域警察
通称「おまわりさん」と呼ばれている警察官。仕事内容は地域のパトロールや遺失物(落とし物)等の対応から、犯罪や交通事故の対応・捜査、交通安全教室の開催や運転免許に関する事務等。
■刑事警察
通称「刑事」と呼ばれている警察官。事件の捜査や、その中には鑑識や検視も含まれます。
■生活安全警察
詐欺やひったくり、少年犯罪やサイバー犯罪など、生活に近しい犯罪対策や防犯教室の開催や相談業務。
■警備警察
祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙、要人の警護など、社会の安全を維持するため、任務を遂行します。
■警察庁で働く警察官
警察組織の中枢を担うため警察官僚やキャリアと呼ばれています。現場で働くことはほとんどなく、警察組織全体の政策や企画立案、各機関との調整・管理といった役割を担います。
その他にも、国家の安全を守る「公安警察」皇居の警護を行う「皇宮警察」や組織全体の事務を行う「総務」など多岐に渡ります。
最初の配属先はほとんどの場合地域警察となり、経験を積むことで希望する部署への配属や所属も可能になります。
警察官のやりがい
警察官のやりがいについては、秩序を守り、犯罪を取り締まることで地域社会やそこに住む住人に貢献できるということ挙げられます。また、人々の安全を守ることで、社会から感謝されることもやりがいの一つです。地域の安全を守っているという自負は警察官にはとても大きいものではないでしょうか。
子どもたちからも大人気の職業のひとつなので、子どもたちのヒーローとしてもやりがいのある仕事でしょう。
警察官になるには
まず警察官には、都道府県警察で働く「地方公務員」と警察庁で働く「国家公務員」がいますが、地方公務員と国家公務員では採用までの順序が違います。
■地方公務員の場合:じつは全国の警察官の約9割が地方公務員です。まずはじめに各自治体が実施している警察官採用試験(4月採用と10月採用)を受験する必要があります。採用後はすぐに現場に入るわけではなく、まずは警察学校と呼ばれる場所で、警察官に必要とされる基本的な知識や技術、体力を身につけます。警察学校は全寮制で、大学卒の場合は6ヵ月間、それ以外の場合は10ヵ月間入校します。そして警察学校卒業後に交番勤務となります。
■国家公務員の場合:警察庁で働く警察官は国家公務員になります。警察庁で働きたい場合、まずは国家公務員採用試験(国家一般職試験または国家総合職試験)の合格を目指しましょう。国家公務員試験に合格したのち、警察庁へ官庁訪問を行ない合格になれば晴れて内定となります。
警察官になるための試験について 必要な受験資格とは
警察官になるために受ける警察官採用試験は学歴相当によって区分が分かれています。
■Ⅰ類:大学卒業程度(大卒程度・警察官A)
■Ⅱ類:短期大学卒業程度 この区分での募集はあまりありません。
■Ⅲ類:高校卒業程度(高卒程度・警察官B)
自治体によってはこれらを「A区分(大卒・上級)」「B区分(大卒以外・中級・初級)」と分けている場合もあります。試験情報で自身が該当する区分を確認しておきましょう。
その他にも試験を受けるために必要な条件、また身体要件などもあります。
■身長:160cm以上(女性の場合は154cm以上)
■体重:48kg以上(女性の場合は45kg以上)
■視力:裸眼視力が両眼とも0.6以上、または矯正視力が両眼とも1.0以上であること
■色覚:職務執行に支障がないこと
■聴力:職務執行に支障がないこと
■疾患:職務執行上、支障のある疾患がないこと
■その他の運動機能:職務執行に支障がないこと
警察官採用試験は主に筆記試験から人物試験という流れなります。試験の内容としては、
■一次試験
教養試験(判断推理・文章理解・数的推理・資料解釈・図形判断・人文科学(歴史や地理)・社会科学(法律や政治)・自然科学(化学や物理)・一般科目)、論文試験、身体検査、適性検査
■二次試験
面接(集団討論や個別面接・グループディスカッション)、第二次適性検査、第二次身体検査、体力検査、作文(論文)試験、といったものになり専門的な知識は必要ありません。
警察官採用試験は都道府県単位で実施されます。都道府県により倍率は異なりますが、簡単な試験ではありません。
もちろん独学でも試験突破は可能ですが、2次試験で課されることが多い、面接や作文などは自分自身では対策が難しい試験もあります。専門学校などでは、試験について多くの情報を持っているので、対策しやすいというメリットがあります。
通信講座などで受験勉強の対策は可能なので、検討することをおすすめします。
警察官に向いている人の特徴
警察官は犯罪などから市民の安全を守るという大きな義務があります。そのため、正義感の強い人が向いています。その他には規律を守れて、チームワークを重視できる人などが挙げられます。コミュニケーション能力や体力に自信のある人も警察官に向いているでしょう。
また、昨今サイバー犯罪が増えているため、警視庁ではサイバー犯罪対策課といった特殊な課もあります。情報処理が得意な人は、その分野で活躍できる可能性もありますし、採用後の警察学校では、剣道か柔道を選択するようになるので、武術を習っている人は警察官に向いているかもしれません。
警察官の給料(給与)・年収について
警察官の平均年収は500万〜600万と言われていますが、警察の階級制度によって給料(給与)や年収は大きく変わってきます。
警察官の階級制度は巡査からスタートし、巡査部長、警部補、警部、警視、警視正、警視庁、警視監、警視総監と9つに分かれています。
ただし公務員の場合、経験年数によって年収が増えていくので高い水準で安定した収入を得ることができます。
警察官を目指す穴吹学園の学科
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