医療コンシェルジュとは

コンシェルジュとはもともとホテルなどでお客様のさまざまなリクエストに応えるお仕事です。近年、医療サービスの質と患者さんの満足度向上を目的として、医療機関でも患者さんへのさまざまなサポート役としてこの職種への需要が高まっています。
　

医療コンシェルジュとは患者さんと医療機関を繋ぐ重要な役割を担っており、健康相談や医療情報の提供など多岐にわたる業務を行います。
　

この記事では、医療コンシェルジュになるための資格・スキルなどを詳しく解説します。

医療コンシェルジュの仕事内容

医療コンシェルジュは、医療機関における接遇（おもてなし）のプロフェッショナルです。主に患者さん対応を通して、医療施設の改善、医師や看護師のサポートなどを行います。
　

例えば、受付と案内は日常業務のうちの一つです。病院やクリニックに訪れる患者さんは、初めての場所や診療内容への不安を抱えていることが多いため、医療コンシェルジュの丁寧な対応や案内は患者さんの安心感を高める効果があります。

そのほか診療報酬や医療保険制度についての相談窓口として患者さんが必要とする医療を受けやすくする役割を果たしています。

またこうした患者さんの対応を行う中で施設への要望や改善がある場合は医療機関へ提案を行うこともあります。
　

医師や看護師のサポート業務も診療がスムーズに進行するために欠かせない業務です。医師とのスケジュール調整では適切な時間管理と配置ができることで、何度も来院する必要がなくなり患者さんの満足度が向上します。

ほかにも、診療に必要な資料や検査の準備や医療データの入力など事務的な業務をサポートすることで医療現場の効率を高め、医療サービスの質の向上にも大きく貢献します。
　

このように、医療コンシェルジュはより良い医療サービスを提供するために、患者さんと医療機関の効果的なコミュニケーションを支援する重要な役割を担っています。

医療コンシェルジュに必要な資格とスキル

医療機関と患者さんの間で効率的かつ効果的にコミュニケーションを取るためには特定のスキルが非常に重要となります。
　

コミュニケーションスキル

優れたコミュニケーションスキルは、来院する患者さんのニーズを正確に理解し、適切な医療情報を提供するために不可欠です。患者さんとの信頼関係を築くためや、医療機関との調整を円滑にすることにも役立ちます。

例えば、患者さんが自分の症状や不安を正確に伝えるためには、コンシェルジュが適切な質問をし、共感を持って対応することが重要です。こうしたコミュニケーションにより、患者さんとの信頼関係が深まり、患者さんの満足度も高まると同時に、医療スタッフとの正確でわかりやすい情報共有が可能となり、医療サービスの質も向上させることができます。
　

医療に関する基本的な知識

医療の基礎的な知識を持つことで、患者さんの状態を理解し正確な情報を提供できるため適切な医療機関に案内することができます。さらに心理学などの知識があると、患者さんが抱える不安やストレスを理解し、適切に対処することが可能となり患者さんの精神的なサポートを行う際に大いに役立ちます。

このように患者さんの肉体的な問題だけでなく、精神的なケアも重視することで、より質の高い医療サービスを実現することができるのです。
　

問題解決能力

さらに、問題解決能力は日常業務において特に求められるスキルです。イレギュラーな状況に柔軟に対応できることで、患者さん満足度を、さらには医療の質を高めることができるからです。困難な状況でも、柔軟かつ冷静に対応する能力が重要となります。
　

このようなスキルが求められる医療コンシェルジュですが、国家資格など特別な資格を取得していなくても働くことは可能です。
しかし、資格は自分が「これだけの専門知識やスキルを持っている」という証明であり、特に医療の現場では専門性の高い知識や即戦力を求められることが多いため就職の際に有利に働く場合があります。

なにより、患者さんとの信頼関係を築き、専門的なアドバイスを提供するために役立ちます。
　

　
これらの資格は医療機関に関する知識から診療報酬、患者さんとのかかわり方（接遇）など医療コンシェルジュとして働くために必要な知識を身に付けることができます。
　

資格は、通信講座など独学でも取得は可能ですが、高卒から医療コンシェルジュをめざす場合は専門学校進学を検討することもおすすめです。

効率的に多くの資格取得ができるのも専門学校の利点ですが、豊富な実習時間で「対応力」「コミュニケーション能力」を身につけることができるのが最大のメリットです。
　

患者さんへの対応力が求められるのはもちろんですが、医師・看護師など一緒に働く医療スタッフとも円滑なコミュニケーションも必須です。専門学校で学ぶことで、社会人経験のない高校生も学校生活や授業を通して人間力を身につけることができます。
　

専門学校では知識とスキルの証明となる資格の取得、また実習で「対応力」「コミュニケーション能力」を身に付けることで、即戦力となる人材へ成長できるでしょう。

医療コンシェルジュに向いている人の特徴

医療コンシェルジュには、専門知識、コミュニケーション能力、問題解決能力など多くのスキルが求められます。
　

その中でもコミュニケーション能力は、患者さんのケアを高めるために必要不可欠なスキルです。また、医師や看護師など一緒に働くスタッフとの連携にも欠かせません。

そのため「人と話すことが好き」「人と関わることが好き」「チームワークで働くことが好き」という人には向いているといえるでしょう。
　

患者さんへのさまざまな対応はイレギュラーな状況に柔軟に対応できる問題解決能力も重要です。人と接する中で「臨機応変に対応できる人」、またそうした対応が「できるようになりたいと考えている人」にもおすすめです。

ほかにも、薬の種類や医療保険の制度、調剤報酬の計算方法など、医療コンシェルジュとして必要な知識は多岐にわたり、常に新しい情報をキャッチアップする必要があります。常に勉強を続ける前向きな姿勢が大切です。

医療コンシェルジュの就職先

主な就職先としては、病院が挙げられます。診療科目やクリニック・診療所・総合病院など規模を問わず、医療コンシェルジュを必要としている医療機関が増えています。

病院やクリニックでの勤務は、患者さんとの直接的な接触が多く、さまざまな医療ニーズに対応するための知識が求められます。

病院やクリニックの規模や診療科目などの違いで、必要な知識やスキルも異なるため、就職先を探す際には、医療機関で求められている業務の内容をよく確認しておくことが重要です。

医療コンシェルジュの年収・給与

求人情報サイトによると、医療コンシェルジュの給与は１６万円～３０万円ほどと地域や医療機関によってさまざまです。

資格の有無や医療機関での実務経験の有無によっても差があるようです。
　

また、医療コンシェルジュは医療事務を兼ねた求人が多いため医療事務についての記事も合わせて参考にしてみてください。

医療事務になるには｜仕事内容ややりがい・必要な資格・就職・年収を解説
　

このように、給与だけでなく業務内容も医療機関でさまざまであるため、自分のライフスタイルにあった働き方ができる就職先をみつけることが重要です。

　

参照：スタンバイ医療コンシェルジュの求人
　　　ボックス医療コンシェルジュの仕事

医療コンシェルジュをめざすアナブキの学科

穴吹ビジネス専門学校には、医療コンシェルジュをめざせる医療事務・クラーク学科（2年制）があります。
　

知識やスキルはもちろん、医師や看護師・薬剤師など、さまざまな職種の方との連携が必要な職場で働くための、コミュニケーションスキルも学べます。

就職に有利な資格は、医療現場で求められるスキルを確実に身につけることができます。短期間で取得できる資格数も多く、就職活動を有利に進めることができます。

医療福祉業界への就職率は驚異の27年連続100％。卒業生の多くが医療業界で医療事務やクラークとして活躍する実績のある学校です。
　

医療現場でとても重要なホスピタリティ（おもてなし）を深く学べることもポイントです。

患者さんのQOLを高める医療アロマテラピー（メディカルアロマ）や患者さんとのコミュニケーションを深く学べるカウンセリング技術を学ぶことができます。

外国語の授業もあり、さまざま患者さんとのコミュニケーションを想定した学びを深めることで患者さん一人ひとりに寄り添った医療コンシェルジュを目指せます。
　

同じ目標を持ったクラスメイトと勉強や実習を行うので、医療機関で必要とされるチームワークや協働力も養えます。卒業後の繋がりもできるのも専門学校生のメリットです。
　

医療機関は全国どこでもあることから、医療コンシェルジュは全国が就職先候補です。家族の都合による引っ越しをしたり、年齢とともに自らのライフスタイルが変わったとしても、比較的容易に転職や復職ができます。
医療機関での接遇におけるプロフェッショナルな医療コンシェルジュという道を、あなたも目指してみませんか。