動物介在福祉士になるには|仕事内容ややりがい・必要な資格・年収を解説

近年、動物と人間の絆が強まり、動物介在福祉の分野が急速に注目されています。
動物介在福祉には、セラピー効果を期待するAAA(アニマル・アシステッド・アクティビティ=動物介在活動)や、医療行為として治療にあたるAAT(アニマル・アシステッド・セラピー=動物介在療法)などがあります。
どちらも動物介在福祉士にかかわりのある活動で、ストレスを抱える人々に対してセラピー動物を用いたサポートをおこなっています。
本記事では動物介在福祉士の仕事内容や必要な資格、やりがいや年収などを詳しく紹介していきます。

動物介在福祉士とは


動物介在福祉士は、人と動物の関わりを通じて福祉や健康の増進を図る専門職です。
彼らは動物の持つ癒しの力を活用し、様々な場面でサポートを提供します。
動物介在福祉士としての役割は、動物と人間の相互作用を通じて、心と体のケアを行うこと(アニマルセラピー)です。
この職業は、人と動物の絆を深めるだけでなく、人々の生活の質を向上させることを目指しています。
動物介在福祉士は、老人ホーム、医療施設、学校など、さまざまな環境で活動し、その専門知識を活かして人々の支援を行います。

動物介在福祉士の仕事内容


動物介在福祉士の仕事は、多様なニーズに応じて動物を介し、人々の生活を支援することです。
特別な訓練を受けた動物たちと共に、老人ホームや病院での遊びやレクリエーションなどの触れ合いを通じて、入居者や患者の心身の状態を改善する手助けを行います。
他にも、学校での特別支援教育の一環として、動物との触れ合いを通し、動物愛護や命の大切さなどを学んでもらう活動もあります。
こうした仕事を通じて、動物介在福祉士は幅広い世代と接し、それぞれのニーズに応じた支援を提供しています。

また、動物介在福祉士は多様な動物と関わります。様々な動物が福祉活動において異なる役割を果たすためです。
動物介在福祉士がよく関わる動物として最も一般的なのは犬や猫ですが、他にも馬やイルカなども重要な役割を果たしています。
馬は馬術療法に用いられることが多く、心身のリハビリや発達障害のケアに非常に有効です。馬の優美な動きと共に過ごすことで、身体的なリハビリだけでなく、精神的なリラックス効果も得られます。
さらに、イルカも動物介在療法に用いられることがあります。イルカとの触れ合いや泳ぎは、特に子供や若者にとって魅力的な体験となり、心理的な治療効果が期待されます。
以上のように、多種多様な動物が福祉活動の幅を広げるため、動物介在福祉士は幅広い知識と技術を持つ必要があります。
それぞれの動物が持つ特性や適切な使い方を理解し、適切な場面でその力を引き出すことが求められます。このため、動物の行動学や動物福祉の基本について深く学ぶことが重要です。

動物介在福祉士のやりがいは

動物介在福祉士の魅力は、人と動物との絆を築き、社会に貢献できることです。
動物とのふれあいが提供する心地よさや安心感は、利用者だけでなく、その家族にも大きな影響を与えます。
目の前にいるひとが、明るくなっていく姿や前向きに進んでいく姿を、動物と共に手助けができるのは、何より大きなやりがいになるでしょう。
他にも動物介在福祉士の仕事は、社会貢献度が高く、自己成長と満足感を得られることも魅力です。
活躍する機会は様々で、それぞれの現場で利用者がより充実した生活を送るためのサポートを行う必要があります。
そのためには継続的な学習とスキルアップも欠かせません。
新しい知識や技術を習得し続けることで、利用者の多様なニーズに対応できるように、多くの動物介在福祉士は、さまざまなセミナーや研修プログラムに参加し、最新の動物介在療法の技術や方法を学んでいます。
動物と人間が共に豊かな生活を送るためには絶え間ない努力と、動物への大きな愛情が必要です。
そのように動物への愛情と専門知識を活かしながら、人々の生活の質を向上させることは動物介在福祉士の大きなやりがいになるといえます。

動物介在福祉士に必要な資格やスキルは

動物介在福祉士に必要な資格は

動物介在福祉士として活躍するためには、動物介在福祉士のライセンスを取得することが重要です。
動物介在福祉士としての認定を受けるためには、動物の行動学や動物福祉の基本、心理学およびカウンセリングの基礎などの分野をしっかりと理解しておく必要があります。これらの知識は、動物と人間の相互作用を理解し、適切な介在を行うために欠かせない要素です。
また、実務経験も重要な要素になります。
動物介在福祉士の認定試験は、動物の行動学や心理学、福祉の基本知識など多岐にわたる学習内容の理解度を測るために行われます。
この試験では、動物介在活動や福祉の現状についての深い知識と、動物と人間との関わりを理解する総合的な学力が求められます。
それらの専門的な知識を学ぶことや、研修プログラムの受講といった認定試験の準備のためには、関連する学校や研修プログラムを活用するのも一つの方法です。専門学校や大学では、現場での実践的な経験を積むためのカリキュラムが用意されていることが多くあります。
こうした機会を通じて、最新の知識と技術を学ぶことができます。
さらに、資格取得後のキャリア形成においても、継続的な学びは重要です。
資格を活かすためにも、新しい情報や技術を常に取り入れ、自分のスキルをアップデートしていく心掛けが必要です。

動物介在福祉士に必要なスキルは

動物介在福祉士の業務は多岐にわたり、様々なスキルや知識が必要になります。
例えば、動物のケアやトレーニング、お客様との対話、心理的サポートを行うことなどです。
動物のケアやトレーニングとしては、獣医的な知識や動物行動学の理解、実務経験などが求められます。
また、お客様との対話や心理的サポートには、カウンセリングの技術や心理学の知識が必要です。
他にも福祉プログラムを効果的に運営するための企画力や管理能力も大切なスキルです。
動物を介した福祉活動を成功させるためには、動物に関する知識だけでなく多角的な視点とスキルが必要になります。
このように、動物介在福祉士の仕事には多様なスキルと知識が必要です。

動物介在福祉士の給料や年収は?

動物介在福祉士としての給料や年収は、仕事内容や業務が非常に多岐にわたっているため明確な数字としては不明です。
参考として、アニマルセラピストとして働いた際の年収を見ていくと、大体250万~350万ほどが多いようです。※
年収としては、多い方とは言えませんが動物介在福祉士のキャリアは多くの可能性を秘めています。
動物介在福祉士の経験やスキルは、他の福祉分野でも評価され、さらに活用されることが多く、特に動物との関わりを通じて得られるコミュニケーション能力やカウンセリングスキルは、多岐にわたる専門職で役立ちます。
そのため、年収を増やすための手段も様々にあるといえます。

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動物介在福祉士の就職先は?

動物介在福祉士は社会福祉施設、教育機関、医療機関など、多岐にわたる分野で活動できるため就職の幅も広くあります。
心身に障害をもつ人、子どもたち、一般の人々など活動対象は幅広く、これからの高齢社会の福祉を支える存在として欠かせない役割を担っています。
介護・福祉施設をはじめ、犬訓練所、ペットサロン、ペットショップ、ペットシッター、など動物に関わる職場は様々ですが、就職先によって給料にも差が出るため、前持った職業理解や就職先をなどについての進路研究をしておくことがおすすめです。
また、動物介在福祉士としてのキャリアを積むためには、まずは自分の得意分野と興味を明確にすることが重要です。
例えば、動物と直接触れ合うことが好きであれば、犬猫のトレーナーや動物病院での仕事が向いているかもしれません。逆に、教育活動に興味がある場合は、学校や教育機関での職務を考えるべきでしょう。
動物を用いた福祉活動の現場では、動物の扱い方や特性についての深い知識も必要とされるため、継続的な学習と自己理解を怠らないことが求められます。

専門性を生かした独立・開業の可能性

動物介在福祉士は動物と人間の心身に関する深い知識と実務経験を持っているため、その専門性を活かした独立・開業が可能です。
例えば、動物介在セラピーを提供するクリニックの運営や、福祉施設や学校などへの出張セラピーサービスを通じて、専門的なサービスを提供することができます。
また、経営力・技術力・立地など成功の為には様々な理由はありますが、個人経営者の年収は、おおよそ500~数千万円が想定されます。
独立した事業を持つことで、給料アップが大きく期待できることや自分のペースで働くことが可能となるため、専門性を生かした独立・開業は、動物介在福祉士にとって魅力的なキャリアパスの一つです。
加えて、全日本動物専門教育協会の公認動物介在福祉士資格は「動物取扱責任者」登録申請時の要件の中に記載されている「営もうとする動物取扱業の種別に係る知識及び技術を習得している証明」に認められています。※
動物介在福祉士の資格を取得していることは、開業の際に必要な準備として一つクリアしていることになります。
ペット業界の開業については、ペットサロンオーナーになるにはの記事で詳しく解説しているので興味のあるひとはそちらも参考にしてみてください。
 
現在、社会における動物介在福祉のニーズは高まりつつあり、動物介在福祉士としての専門知識を持つ人材はますます求められています。そのため、独立や開業を目指すことで、新しい市場やサービスを開拓する可能性も広がります。
しかし、動物介在福祉士としてのキャリア形成には、継続的な学びとネットワーク構築が欠かせません。この分野は日々進化しており、新しい療法や技術が次々と登場するため、最新の情報を常にキャッチアップすることが重要です。
適切な進路選択と計画を立てることで、動物介在福祉分野において専門的スキルを最大限に活かし、長期的なキャリアアップを目指しましょう。

全日本動物専門教育協会

動物介在福祉士を目指せるアナブキの学科は?

穴吹ビジネス専門学校には、動物介在福祉士をめざせる「動物看護総合学科(3年制)」があります。
「動物看護セラピー専攻」 は、リハビリや介護施設でも活かせる「動物介在福祉士」資格と、動物看護士としての「愛玩動物看護士」のWライセンス取得ができる中四国で唯一の教育機関です。
 
動物看護セラピー専攻では、動物介在療法(AAT)を含むアニマルセラピーの幅広い知識や動物愛護について学び、動物病院をはじめとしたさまざまな動物病院・福祉施設で活躍できる動物看護士を目指します。
他にも動物看護のカリキュラムに加え、グルーミング技術も習得できるため、多方面からの動物看護にアプローチすることができます。
看護実習室やトリミング実習室は実際の動物病院を忠実に再現し、アニマルセラピーにおいても研修や実習のカリキュラムが組まれているため、就職後も即戦力として働けるよう配慮されています。
また、担任制を導入しているため、校外実習中のサポートも万全です。
学費サポート制度も充実しているので、遠方からの入学者が多いのも特徴。

アナブキで動物と人間の相互作用を通じて、心身の健康をサポートする技術と知識を持つ専門家「動物介在福祉士」を目指しませんか?

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