社会福祉主事になるには|仕事内容ややりがい・必要な資格・就職・年収を解説|

社会福祉主事は、高齢者支援、児童福祉、障がい者支援など幅広い領域で活動する専門職でソーシャルワーカー(ケースワーカー)の職業のうちの一つです。

福祉施設等に勤務して、多様なニーズに応えるために重要な役割を果たしています。

社会福祉の分野で活躍したいと考える人にとって、社会福祉主事はとても魅力的な職業です。
 

この記事では、社会福祉主事になるための具体的な道のりをわかりやすく説明し、必要な資格、そして求められるスキルなどをお伝えします。

これから社会福祉の分野でのキャリアを考えている方はぜひ参考にしてください。

社会福祉主事とは

社会福祉主事は、福祉サービスの計画や提供において中心的な役割を果たす職種です。この職務は、高齢者や障がい者、生活困窮者などの社会的弱者を支援するために重要な役割を担っています。
 

社会福祉主事の主な役割は、福祉サービスの提供とその管理です。具体的には、自治体や福祉施設での相談業務、支援計画の策定、そして福祉サービスの実施に携わります。

また、行政機関との連携や地域社会とのネットワークを築くことも重要な業務の一環です。こうした業務を担い社会的な課題を解決し、地域全体の福祉向上に貢献します。

社会福祉主事の仕事内容

社会福祉主事は、地域社会の福祉向上を目的とした支援活動を行います。社会福祉主事の役割は、生活に困難を感じている人々や高齢者、障害者などの福祉サービスを適切にコーディネートし彼らの生活の質を向上させることです。

具体的な業務としては、各種の相談業務、問題を抱える家庭などへの訪問調査、扶助の申請処理、さらには地域住民に対する福祉教育や啓発活動等が含まれます。また、福祉サービスを利用する際のアドバイスや、その家族への心理的支援も重要な役割です。行政や民間の社会福祉機関、医療機関とも連携し、総合的な支援チームを形成することも日常的な業務の一部です。
 

このように、社会福祉主事は地域の「支援の要」として、多くの人々が適切な福祉サービスを受けることができる環境を整えるため、高齢者福祉、障害者福祉、児童福祉など、様々な社会問題領域において、多様な活動領域で活躍しています。
例えば、高齢者支援では、介護施設やコミュニティセンターでの相談業務や家庭訪問を行い、対象者の生活の質を向上させるためにサポートします。障害者支援では、それぞれのニーズに応じた支援計画を立案し、自立を支援するためのリハビリテーションプログラムを提案します。

また、児童福祉の現場では、子どもたちの健全な発達を支援するための相談業務や、学校や施設との連携が求められます。そのほか児童相談所の職員として虐待対応や家庭支援を行うこともあります。
 

社会福祉主事は、このように多様な分野で大いに貢献しており、幅広いスキルと知識が求められます。社会福祉主事は、地域のニーズに応じた適切な福祉サービスを提供することで、社会全体の福祉向上に貢献しています。
 

社会福祉主事が担当するのは、個々の問題解決にとどまらず、地域全体の福祉レベルを引き上げることです。
そのためには、多岐にわたる専門知識と豊富な実務経験が必要不可欠です。

社会福祉主事に必要な資格とスキル

社社会福祉主事に求められるスキルには、コミュニケーション能力、問題解決能力、倫理観、そして専門性が挙げられます。
 
 

・コミュニケーションスキル

利用者との信頼関係を築き、効果的な支援を行うためにはコミュニケーションスキルは必要不可欠です。利用者との円滑なコミュニケーションを通じて、悩みや困りごとを正確に把握し、適切な支援策を提供することが可能となります。このため、情報を正確に聞き取る能力や、利用者が安心して話せる環境を提供する能力が重要です。
 

コミュニケーションスキルを強化することで、利用者は社会福祉主事を安心して頼れる存在と感じられるようになり、相談事や問題があった場合でも、率直に話すことができるようになり、より質の高いサービスの提供が可能になります。
 
 

・問題解決能力

高い問題解決能力は多様な社会問題に直面し、それに対して迅速かつ効果的に対応するために役立ちます。例えば、家庭内での暴力や虐待が問題となっているケースでは、速やかに適切な対策を講じ被害者の安全を確保する必要があります。

多様な社会問題に対処する能力があれば、困難な状況にも迅速に対応でき、対象者の生活を大いに改善することができます。1人ひとりの問題の改善は社会福祉システム全体の質が向上につながり、さまざまな利用者とその家族にとっても安心できる環境が提供されるのです。
 
 

・倫理観と専門性の重要性

社会福祉主事にとって倫理観と専門性は非常に大切です。
社会福祉主事は、さまざまな人々と関わりながら支援を行う仕事です。そのため、倫理観がなければ支援者としての信頼を失い、適切なサービスを提供することができなくなります。同様に、専門性がなければ正確な情報に基づいた助言や支援を提供することができません。
 

例えば、個人のプライバシーを厳守することができなければ信頼関係が崩れ、サービスの質が低下します。また、高齢者の福祉サービスでは、医療知識や関連法規についての知識が求められる場合もあるため支援者に必要な情報とサービスを提供できるようさまざまな専門的な知識を身に付けることが重要です。
 
 

社会福祉主事として働くためには、まず「社会福祉主事任用資格」を取得する必要があります。

社会福祉主事任用資格は、社会福祉主事として働くために必要な任用資格です。特定の要件を満たせば取得できる仕組みとなっているため、社会福祉主事任用資格には特定の試験はありません。
 

例えば、「大学等において、厚生労働大臣が指定した社会福祉に関する科目を3科目以上履修して卒業する」「中央福祉学院の社会福祉主事資格認定通信課程・日本社会事業大学通信教育課程を受講する」「社会福祉主事養成機関で(22科目1,500時間)専門課程を修了する」などの要件があります。
 

一般的には大学、短大、専門学校などで福祉に関する科目を履修し資格を取得する場合が多いです。また社会福祉主事任用資格は取得の証明書はなく、特定の科目を履修したという履修証明証を提示することによって資格を持っていることを証明できます。

現在大学等で学んでいる人は履修証明証の発行をしておくと良いでしょう。
 
 

また、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持っている人は同時に社会福祉主事任用資格を取得していることになり新たに社会福祉主事任用資格を取る必要はありません。
 

いずれも福祉分野において重要な役割を果たしている社会福祉主事と社会福祉士ですが、その役割や資格取得の要件に大きな違いがあります。

まず、社会福祉主事は公的機関や福祉施設での行政的なサポートが主な役割です。社会福祉主事任用資格を取得することで、地方公務員として働くことが可能になります。これに対し、社会福祉士は直接的な相談業務や支援活動を行う専門職であり、より専門的な知識が必要な国家資格を取得しなければ社会福祉士として働くことはできません。社会福祉士の資格を取得するためには、指定された大学や専門学校での履修科目を修了し、さらに国家試験に合格する必要があります。
 

このように、社会福祉主事と社会福祉士の役割や資格要件を理解することは、自分がどのような場面で貢献したいかを考えることで、適切なキャリアパスを選ぶことができるでしょう。

社会福祉主事の就職先

社会福祉主事としての就職先には多様な選択肢があります。

基本的には社会福祉主事は都道府県や市に設置されている福祉事業所、社会福祉施設などで公務員として働きますが、その他にも、民間の福祉施設や医療機関で働くことも可能です。
 

福祉と一口にいってもその対象やサービスはさまざまであり、就職先の施設等ではそうしたサービスの違いによって求められる業務やスキルも多種多様です。例えば、老人福祉施設では高齢者の生活支援を行い、障害者施設では利用者の自立支援をサポートし、地域包括支援センターでは地域住民の相談対応などを担当するなどそれぞれの施設で求められる役割やスキルが異なります。

さまざまな就職先があり、自分の興味やスキルに合わせて選択することが可能です。
 

また、社会福祉主事の雇用形態には多岐にわたる選択肢があります。社会福祉主事の仕事は多様なニーズに応じており、正社員、契約社員、パートタイムなどの多様な働き方の求人が多数あります。自分のライフスタイルや目指すキャリアに応じて最適な雇用形態を選ぶことが重要です。

社会福祉主事の給与・年収

地方公務員として福祉事務所、社会福祉施設などで働く場合は公務員給与規定に沿った給与となります。 総務省が公表している職種別職員の平均給与額によると、一般行政職の平均給与額はおよそ40万円、福祉職が34万円となっています。

また民間の施設で働く場合には地方やその施設など働く場所によって給与はさまざまで、社会福祉主事任用資格を持っていることで手当てが付くなど雇用条件もさまざまです。

高齢化社会の進展や福祉サービスの需要が増加していることにより社会福祉主事の求人状況は全国的にとても活発です。

こうした多種多様な働き方ができる社会福祉主事として安定した収入を得るためには、職場選びが非常に重要です。

参考:厚生労働省 職種別職員の平均給与額

社会福祉主事に向いている人の特徴

福祉の現場では、多様なニーズに対応するための幅広い能力と柔軟な適応力が必要です。

具体的には、対人コミュニケーションスキルや問題解決能力、チームでの協働力などが重要なスキルとなります。これに加えて、倫理観や忍耐力も欠かせない資質です。

例えば、対人コミュニケーション能力は利用者との信頼関係を築く上で不可欠であり、チームでの協働力は、さまざまな専門職との協力が欠かせない社会福祉主事にとって職員同士のコミュニケーションも大切です。

「人と話すことが好き」「人の役に立ちたい」という人に向いている職業であるといえるでしょう。
 

また、問題解決能力はさまざまな問題を抱えている相談者への複雑なケースに対応するために役立ちます。

一方、倫理観は全ての行動の基盤となり、利用者の尊厳を尊重する姿勢が問われます。忍耐力は、困難な状況に直面しても適切に対応し続けるために重要です。
 

また、福祉の専門職としてこうしたスキルと資質を磨き続けることで、学び続ける姿勢と、現場での実践を通じて得られる経験は、自身の成長もより感じることができるでしょう。自身の成長やステップアップをしたいと考えている人にとっても、やりがいを感じることができる仕事です。

社会福祉主事を目指す穴吹学園の学科

穴吹国際みらい専門学校には、社会福祉主事をめざすことができる「こども未来教育学科」(3年制)があります。
 

保育士養成施設に指定されており、近畿大学九州短期大学との併修制度も採用しているため、卒業と同時に、国家資格である保育士資格と幼稚園教諭免許状(幼稚園教諭2種)の両方を取得することができます。※保育士試験・幼稚園教諭免許状試験を受験する必要はありません。

こどもに関する知識を学ぶことができるため、児童福祉の分野で大いに活躍できる知識を身に付けることができます。
 

学科の特徴としては、3年制を採用しているため、しっかりと時間をかけて学ぶことができるカリキュラムとなっています。

保育園・幼稚園や福祉施設への実習も3年間というゆとりのあるカリキュラムで1年生ではボランティアという形で実習に参加します。

1年間は子どもに関する知識を学んでから、2年生・3年生で本格的な実習に参加します。

しっかりと知識を学んでから実践できる環境で確実に実力を身に付けることができるでしょう。

また、アナブキでは実習先を自由に選ぶことができます。

自分が働きたい!と思う施設であらかじめ実習を行うことができれば、就職したあとのイメージも掴みやすく、より充実した経験を得ることができるでしょう。
 

そして、アナブキの一番の特徴が、校舎の1階にあなかれほいくえんが併設されていること。

学生が保育園で実習させてもらったり、園児が教室に遊びに来て一緒にイベントを楽しんだりと子どもたちと一緒に楽しく学べる最高の環境がアナブキにはあります。

こうした環境でこどもたちと接することにより倫理観や責任感も養うことができるでしょう。
 

あなたも穴吹国際みらい専門学校で、社会福祉主事という夢を目指してみませんか?

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