児童指導員になるには|仕事内容ややりがい・必要な資格・就職・年収を解説

児童指導員は、家庭の環境や障害などの理由から養護を必要とする子どもたちの健全な成長を支援する役割を担っています。


児童指導員の仕事は精神的なサポートだけでなく、日常生活などの教育的、社会的なサポートをすることにまで及び、児童指導員として活動することは、子どもたちの未来を支える非常にやりがいのある職業です。

この記事では、児童指導員になるために必要な資格やスキル、向いている人の特徴について紹介します。

児童指導員とは

児童指導員とは、子どもの福祉や教育に携わる専門職です。

子どもたちの心理的、社会的な成長を支え、健全な発育を促す役割を担っています。

児童指導員の仕事内容は、療育など子どもたちの生活全般にわたる支援と指導です。

具体的には、教育支援、生活指導、社会的なルールの習得、心理的カウンセリング、そして家庭や学校との連携などが含まれます。

子どもたちが安心して過ごせる環境を整え、一人ひとりのニーズに応じたサポートを提供することで子どもの健全な発育と心理的安定を支える、非常に重要な役割を担っています。例えば、家庭内の問題や学校でのいじめなど、児童指導員は子どもたちの話をしっかりと聞き、必要な対策を講じることで問題解決を図ります。

これにより子どもたちは自分の悩みや不安を共有しやすくなり、安心感を持つことができます。

子どもたちは自分の感情をうまく表現できないことも多く、そのため適切なサポートと環境が必要です。児童指導員はその橋渡しとして、子どもたちの心のケアを行い、信頼関係を築くことで、健全な成長をサポートする中核的な存在です。

また、児童指導員は保護者とも緊密に連携して子どもたちの家庭環境を良好に保つための支援を行います。保護者へのアドバイスやサポートを通じて、家庭内の問題やストレスを軽減し、子どもたちの生活環境を整える役割も果たします。
さらに、学校との連携も重要です。教育機関と協力し、子どもたち一人ひとりに適したサポートプランを作成し、個別支援計画に基づいて具体的な援助を行います。

児童指導員は子どもたちの心身の健全な発育を支え、家庭や学校、社会との橋渡し役として、子どもたちが安心して成長できる環境を作り出す重要な職業です。

児童指導員は子どもたちの心身の健全な発育を支え、家庭や学校、社会との橋渡し役として、子どもたちが安心して成長できる環境を作り出す重要な職業です。

関連する職業である、児童指導員と児童支援員の違いは働く場所や接する子どもたちです。
児童支援員は一般の小学校に配置されている放課後児童クラブで働く職員です。
施設によっては障害をもつ子どもと接することのある児童指導員とは違い、一般の小学校に通う子どもたちの支援をすることが大きな役割です。

児童指導員に必要な資格とスキル

児童指導員として働くためには、特定の資格や条件を満たすことが必要です。

ここでは、児童指導員になるために必要な資格と要件についてお話します。

・児童指導員任用資格の要件

児童指導員になるためには、まず以下の厚生労働省が定める「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の要件に当てはまることで児童指導員任用資格を取得することが必要です。



① 地方厚生局長等の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校その他の養成施設を卒業した者

② 社会福祉士の資格を有する者

③ 精神保健福祉士の資格を有する者

④ 学校教育法の規定による大学の学部で、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

⑤ 学校教育法の規定による大学の学部で、社会福祉学、心理学、教育学又は社会学に関する科目の単位を優秀な成績で修得したことにより、同法第百二条第二項 の規定により大学院への入学を認められた者

⑥ 学校教育法 の規定による大学院において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

⑦ 外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者

⑧ 学校教育法 の規定による高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者、又は文部科学大臣がこれと同等以上の資格を有すると認定した者であって、二年以上児童福祉事業に従事したもの

⑨ 学校教育法の規定により、幼稚園、小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校の教諭となる資格を有する者であって、都道府県知事が適当と認めたもの

⑩ 三年以上児童福祉事業に従事した者であって、都道府県知事が適当と認めたもの

これらの要件に当てはまる人は児童指導員になれる資格があるということです。しかし児童指導員は資格自体だけでは児童指導員を名乗ることはできません。
児童指導員になるためにはこれらの要件にあてはまり任用資格を取得した上で、公務員試験や社会福祉施設等の採用試験に合格する必要があります。



児童指導員になりたいと考えている人にとってこれらの資格要件を理解し、その要件を満たすことが児童指導員になるための第一歩です。

例えば「幼稚園、小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校の教諭となる資格を有する」とした条件を満たすためには、「幼稚園教諭免許」「教員免許」の取得のために大学や専門学校など進学を視野に入れて計画的に学習を進めることが重要です。

・児童指導員として活躍するために役立つ資格

また児童指導員として活躍するためには、任用資格以外にも関連する資格を取得することがおすすめです。

児童指導員には多岐にわたるスキルが求められるため、資格要件に必要な資格以外にも関連資格を取得することで専門的で、現場で役立つ知識が身につきます。
一部の自治体では、保育士養成施設での研修が必要な場合もあります。保育士資格を取得することで、子どもの発達や心理についての知識を深めることができ児童指導員としてのスキルを大幅に向上させることができます。
ただし、保育士資格のみでは任用資格の要件を満たすことはできないので注意が必要です。

その他にも「臨床心理士」「公認心理士」の資格を取得することにより、心理学的な支援が可能となり児童の多様なニーズに対応できるようになります。

またこうした資格は自身の知識やスキルの証明になるため、資格を持っていることで就職の際にも採用の可能性が広がります。
これらの資格は、専門学校や大学、または通信教育や公開講座などを通じて取得することができます。

例えば専門学校では、実務に直結したカリキュラムが組まれており、即戦力となる知識や技術を効率的に学ぶことができます。
授業だけでなく、実際の現場での実習やインターンシップを通じて、理論と実践を結びつけることができるため、実際の業務にスムーズに移行できる準備が整います。これにより、専門学校での教育が充実しているため、卒業後すぐに現場で活躍することができるのです。

児童指導員に向いている人の特徴

児童指導員に求められるスキルとして、まず重要なのは高度なコミュニケーション能力です。これは、子どもたちやその保護者と信頼関係を築くために重要なスキルです。

円滑なコミュニケーションが問題の早期発見と解決に繋がります。

例えば問題を抱えた子どもが心を開くには信頼関係が必要であり、それには聞き取りやすい言葉と一人ひとりに寄り添う共感的な態度が必須です。
子どもたちは、自分の感情をうまく表現できないことも多く、細やかな気配りと相手の気持ちを理解し、的確な対応を行うことができる能力が求められます。

また保護者との連絡調整や、他のスタッフとの意見交換も問題解決のためには必要不可欠であるため、子どもだけでなく、保護者や他のスタッフといった大人とのコミュニケーションも大切です。

子どもはその成長段階や発達段階に応じてコミュニケーションの仕方も変わります。
大人も子どもも一人ひとりを尊重し関わっていくことが重要です。
人と関わることが好き、人の話を聞くことが得意な人は向いているといえるでしょう。

次に、児童指導員には問題解決スキルも重要です。
児童指導員は子どもたちが抱えるさまざまな問題に対し、柔軟かつ迅速に適切な解決方法を見つける必要があります。

突然発生する問題にも迅速かつ適切に対応する力が必要です。これには、他のスタッフとの連携や情報共有も欠かせません。

具体的にはいじめや家庭環境などそれぞれ個別の問題に対して、その子にとって最適な解決策を考え、実行するスキルが求められます。


児童指導員にとって、良好なコミュニケーションは信頼関係の基盤となり、結果的に子どもたちの健全な成長を促進します。
例えば学校や家庭だけではフォローしきれない問題を、保護者との協力を得て解決する場面も少なくありません。保護者と子どもたちに対する思いやりと理解を持ちつつ、適切な指導を行うためには、感情をうまくコントロールし、冷静かつ柔軟に対応する能力も重要です。

思いやりがある人や、細かなことにも気が付く、問題解決のために柔軟に行動できる人も活躍できるでしょう。

児童指導員の給与・年収

児童指導員の平均年収はおよそ425万円となっていますが、働く施設によってかなり開きがあります。

民間施設で働く場合や、公立施設(地方公務員)で働く場合にも違いがあり、民間施設では250万円~450万円、公立施設では700万円程度の平均となっているようです。

この平均の開きは公立・民間の違いや、施設の運営形態によっても違いがあります。

例えば児童養護施設や障害児入所施設などの「入所施設」では、子どもの生活のサポートを行うため、夜勤勤務があるなどの理由から給与も高い傾向にあります。

また、取得している資格によって給与の優遇がある場合があります。

※参考サイト:厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag児童指導員」

児童指導員の就職先

児童指導員の主な就職先は基本的に児童支援施設になりますが、その施設は多様で、大きく分けて公立施設と民間施設があります。

〈公立施設〉

児童相談所

自治体の福祉施設

学校 など

〈民間施設〉

児童養護施設

知的障害者施設

保育園 

放課後等デイサービス 
児童発達支援 など

児童指導員は、児童福祉の分野において非常に重要な役割を担っているため様々な施設で働いており、その職場や役割によって業務内容が異なります。

例えば、児童相談所では、児童の問題行動や家庭環境の問題に対してカウンセリングやアドバイスを行います。

養護施設では、子どもの日常生活の支援や学習サポート、さらに必要に応じて心理的なケアも提供します。また、児童養護施設では、入所する子どもたちの生活全般をサポートし、家庭と同じような環境を整えることで安心して成長できる環境を提供します。

幼児教育施設では、教育や遊びを通した子どもの健全な発達を促進し、社会性を育む活動が中心となります。

また、保育園やこども園などで働く保育士から児童指導員になることも可能です。
これは任用資格の要件に「 三年以上児童福祉事業に従事した者であって、都道府県知事が適当と認めたもの 」というものがあるためです。
ただし、この児童福祉事業がどういった施設にあたるのかは各自治体によって違うため、確認が必要です。



児童指導員は、こうしたさまざまな施設や場面での経験を積むことにより、子どもの全体的な成長をサポートする重要な役割を担います。
さまざまな環境で働くことで、より多角的に子どものニーズを理解し、適切な支援を提供する専門的なスキルも身につきます。


児童指導員は、専門的な分野の知識を習得することでキャリアの幅を広げることもできます。

例えば、働く施設で専門的な知識を習得し資格を取得することで、障害を持つ子どもへの支援や虐待を受けた子どもの心理カウンセリングなど、特定の分野に特化した業務を担当することができます。
これにより、より多くの子どもたちをサポートすることができます。

このように児童指導員の職務は多様であり、どのような場所で働いても子どもたち一人ひとりに合わせた個別支援を計画したり、実際に支援を行ったりなど、非常に重要な役割を担っており、その専門性や実務経験が非常に重要視されます。
したがって、どんな児童指導員になりたいか自身のキャリアプランを考慮しながら、適切な職場を選び、経験を積んでいくことが求められます。

児童指導員としての道は決して一本道ではありません。

さまざまな場所で、さまざまな形で子どもたちの健全な成長を支えることができるのです。

児童指導員をめざすアナブキの学科

穴吹国際みらい専門学校には、児童指導員をめざすことができる「こども未来教育学科」(3年制)があります。

こども未来教育学科は3年制を採用しており、3年間のゆとりのあるカリキュラムで保育者としての知識を身に付けることはもちろん、実習やボランティアなど実践的な学習もしっかりと対応できます。

保育士資格・幼稚園教諭資格が卒業と同時に取得可能なカリキュラムで、これらの資格の取得によって、資格要件を満たすため指導員任用資格を取得することができます。

また、社会福祉主事任用資格も取得でき、福祉施設で働くために役立つ資格を取ることが可能です。

先に述べたように資格の取得は自身のスキルアップにもつながるため、児童福祉に関する知識とスキルをゆとりあるカリキュラムで習得し、就職後に活躍できる児童指導員を目指すことができます。

また、校舎内に保育園「あなかれほいくえん」が併設されているため、子どもたちと触れ合える環境が整っているという点もアナブキの魅力の一つです。

保育園の朝の会の担当をしたり、季節の行事には子どもたちと一緒にパーティーをしたりと日常的に子どもたちと触れ合う機会があり、学んだことをすぐに実践できます。

穴吹国際みらい専門学校で、一緒に児童指導員を目指しませんか。

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