
専門学校への進学を考えるとき、もっとも気になるのが学費ではないでしょうか。大学との違いや分野別の費用差など、初めて費用を調べる方にとっては把握しづらい部分も多いものです。
専門学校の場合、初年度納付金は平均で約120万~130万円ほどかかると言われています。
ただし、入学金や施設費、実習費の内訳は学校や専攻分野によって異なり、総額は大きく変わります。
この記事では、穴吹カレッジ福山を例として専門学校の学費の相場や各分野における費用の特徴、さらに活用できる支援制度や支払い方法まで具体的に分かりやすく解説します。計画的に進学を目指すための参考にしてください。
目次
専門学校の学費の平均相場と大学との違い
専門学校と大学では学習年数やカリキュラム構成が異なるため、総額や初年度納付金にも違いがあります。
一般的に専門学校は2年制から3年制が多く、1年あたりの学費は大学の私立文系と同程度かやや高めと言われています。ただし大学の場合、4年間通うケースが多いため、トータルコストで比較すると専門学校のほうが安く済むこともあるでしょう。
一方、大学では授業料以外に研究費や実習費がかかることもありますが、一部の専門学校では設備投資の割合が高く、学費総額が高額になるケースも見られます。分野によっては専門学校のほうが長期的な学習や施設維持にコストをかけている場合もあります。
このように、専門学校と大学とを単純に比較するのは難しい部分がありますが、進路を検討するには学費だけでなく取得可能な資格や就職実績といった面も含めて総合的に判断することが大切です。
専門学校の学費の平均はいくら?
専門学校の学費がいくらなのか、実際に専門学校へ通う場合に必要となる学費の目安を知ることは、資金計画を立てるうえで重要です。
専門学校の初年度納付金は平均して約128万円から130万円程度とされています。これには入学金や授業料、施設費などが含まれることが多く、2年目以降も引き続き授業料や実習費、必要に応じた諸経費を支払っていくことになります。
工業系や医療系のように設備・材料費が高い分野では、この平均額より高くなるケースも少なくありません。そのため、自分がめざす専門学校の学費設定やカリキュラム内容をしっかりと調べることが大切です。
なお、学科によっては実習が充実している分だけ集中的なコストがかかる場合があるため、進学前に各学校の公式情報や説明会などで詳細を確認するとよいでしょう。
専門学校の学費の主な内訳
専門学校の学費には、入学金や授業料、施設費・実習費などが含まれます。これらの項目を理解しておくと、具体的な支払い計画を立てやすくなります。
入学金
入学金は学校に入る際の初期費用であり、多くの場合、合格通知後の手続きと同時期に支払います。金額は学校によって差があり、進学を決定したら入学金の払い込みが必要となるため早めの準備が不可欠です。
入学金は一度納めると返金されないケースがほとんどなので、進学先として本当に選ぶかどうかをよく検討してから支払うほうが望ましいでしょう。
穴吹カレッジ福山校には、併願先の合否が分かるまで入学金の支払いを延期することができる制度もあります。進学先の学校の制度についても良く調べておくとよいでしょう。
授業料
授業料は講義や実習授業を受講するために支払う費用で、学校に在籍する間、継続して支払うメインの費用です。年間の授業料は分割して納付できる場合も多く、進学前に納付時期を確認しておくと計画的な支払いができます。
授業料の金額は学校や専攻分野によって異なり、実験や実習の比重が大きいカリキュラムだとやや高くなることが一般的です。
また、学校独自の納入金免除制度や特待生制度などの学費支援制度を利用したり、国・公共の支援として授業料の減免や奨学金を利用することで一部負担を軽減できる場合があります。
施設設備費・実習費
学校が所有する施設や実習のために使用する機器・材料にかかる費用です。こうした施設設備管理のために必要な費用が、入学金や授業料とは別に発生することがあります。分野によっては高度な設備を使う必要があり、学費全体のコストが上がりやすいです。
特に医療・衛生系や工業・農業系では、国家資格取得や実験、研究における機材コストが高くなりやすく、結果的に施設費や実習費が高額になる傾向にあります。
こうした費用は学費全体の差を生む大きな要因となるため、「実習環境の充実度」と「費用負担」のバランスを見極めることが重要です。

専門学校で必要となる学費以外の費用
専門学校で学費以外にかかる費用として受験料や教材費、検定受験料など様々な支出が発生するため、入学前にトータルコストを把握しておくと安心です。
分野によっては毎年、大きな教材費がかかるところもあるため、事前に必要な見込み額を確認しておきましょう。
さらに、専門学校在学中にアルバイトをする計画がある場合でも、最初の準備費用は十分に用意しておくことが大切です。生活費や学費を合わせたトータルバランスの観点が必要になります。
受験料
専門学校の入学試験で必要となる費用であり、多くの学校で受験料を納付しなければ出願できません。一般的には1万円前後から2万円程度が多い傾向ですが、学校ごとに金額が異なる場合があるため、併願する場合はトータルでいくらかかるか計算しましょう。
受験料は一度支払うと基本的に返金されません。合格発表後に入学しない場合でも返金不可が多いので、受験計画を立てる際には無駄のないよう検討が必要です。
教材費や試験費用
授業で使う教材や工具、さらに資格試験の受験料なども学費とは別途かかります。看護系や美容系、工業系など実習が多い分野では教材費が想像以上に高いケースもあります。
特に資格取得をめざすコースでは、学内の模擬試験料のほか国家試験の受験料が必要になることが多いです。
学校によっては教材費をまとめて請求される場合があるため、事前にどのタイミングで支払うかを把握し、計画的に資金を用意しておきましょう。
分野別にみる専門学校の学費の違い
専門学校は専攻分野によって設備や実習内容が大きく変わるため、学費もそれに応じて異なります。
工業・農業系
工業系では、測定器や機械工具など高額な実習機器を使用するため、施設費や実習費がやや高めに設定される傾向があります。一方で農業系は、広い実習フィールドの維持費や植物・動物の飼育にかかる費用がかかることがあります。
これらの分野では、自分で購入しなければならない工具や資材も多いため、初期投資が大きいケースがあるでしょう。
就職後は実務で活かせるスキルを在学中に身につけられる分、費用対効果の面で考えると評価の高い学校も多いです。
医療・衛生系
医療や衛生系では、看護や歯科衛生、理学療法など人の健康を扱う分野が含まれるため、高度な機器と専門的な指導環境が求められます。そのため、学費総額が他の分野より高くなる傾向があります。
また、国家資格取得を目的とするコースが多く、試験対策や演習教材に関わる追加費用が発生しやすいです。授業だけでなく実習先での交通費なども考慮する必要があります。
経験豊富な教員や病院との提携による実習機会が整っている学校は、卒業後の就職率が高い点もメリットとして挙げられます。
商業実務・服飾系
商業実務系はビジネスや経理、情報処理など実務能力を育成するカリキュラムが中心で、パソコンやソフトウェアを使った授業が多い場合があります。これらの設備費によって学費が上下するケースも見られます。
服飾系はデザインのための素材や縫製機器など実習に必要な道具や材料を購入する費用が大きくなる傾向があります。特に作品制作で布地や装飾品にこだわる場合、家計に影響が出るため早めの予算どりが必要です。 この分野は学費内訳以上に実習での消耗品費がかさむことが多いため、学校選びの際には教材費や材料費の目安をチェックしましょう。
文化・教養・教育系
文化・教養・教育系は、幅広い分野をカバーしており、それぞれの専門分野によって学費も様々です。例えば、語学系では実習費が比較的低い傾向にありますが、音楽、美術、デザイン、動物、アニメ、声優、ゲームといった分野では、専門的な機材や設備、教材、実習が多く必要となるため、学費が高くなる傾向があります。
保育士や教員免許、社会福祉士などの資格取得を目指す場合、別途、試験料や研修費などが必要となることがあります。

専門学校の学費を支援する制度
学費が高額になりがちな専門学校でも、奨学金制度や教育ローンなどによって経済的な負担を軽減する方法があります。
多くの学生が利用する日本学生支援機構の奨学金をはじめ、各自治体や学校独自の納入金免除制度などの支援制度を利用することで、在学中の学費負担を抑えることが可能です。
特に所得要件を満たす場合、修学支援新制度によって授業料の減免や給付型奨学金が適用される場合もあり、大幅に家計負担を軽くできることがあります。
教育ローンを利用する際は、返済計画をしっかり立てることがポイントです。また、学校独自の特待生制度は、学校指定の試験に合格すると一定額の学費が免除されるなどの制度があり、成績に自信がある方は挑戦してみる価値があるでしょう。
穴吹カレッジ福山には6つの学費サポート制度があります。
- 穴吹カレッジ特待生制度<選抜制>
高等学校在学中の学業やクラブ活動を積極的に取り組み特待生として認められる方に最大50万円の学費負担を軽減する制度です。
- 高資格・検定取得者特待生制度
高等学校卒業までに該当の資格や検定を取得して入学する場合には最大30万円の学費負担を軽減する制度です。
- 穴吹カレッジ瀬戸内デザイングランプリ特待生制度
上記グランプリにおいて各部門賞(小・中・高)金賞以上の賞を受賞した場合、5万円が免除となる制度です。
- 在校生・卒業生の親族入学優遇制度
入学者の2親等内の親族が穴吹学園の在校生・卒業生の場合は5万円が免除となる制度です。
- 家賃支援制度<選抜制>
通学が困難と認められるエリアからの進学の方に家賃支援として10万円を免除する制度です。
- 遠方奨学生制度
福山市を中心に半径200kmを超える地域から進学の方は、在学中月額2万円相当が免除となる制度です。
- 穴吹カレッジ公務員特待生授業料免除制度
「公務員ビジネス学科」「公務員学科」の入学者で5月に実施される公務員試験に合格し、10月本採用となった方は後期学費から20万円免除となる制度です。
学費支援制度を上手に活用しよう!
奨学金・修学支援新制度
国が推進する高等教育の修学支援新制度は、一定の収入要件を満たす学生に対して授業料減免や給付型奨学金を支給する仕組みです。
従来の奨学金と異なり、返済不要の支援が手厚いため、低所得世帯にとっては大きなメリットとなります。特に専門学校でも対象となる学校や専攻が増えています。
また、令和7年度より多子世帯への支援も充実しており、大学等の無償化といわれているこの制度は大学だけでなく専門学校でも認可を受けた学校であれば利用することができます。
穴吹カレッジ福山では奨学金や修学支援制度の利用ができます。進学を考えている学校が対象となっているのかきちんと確認しておくことが大切です。
申請のタイミングや提出書類の不備には注意が必要です。詳細は学生支援機構や学校の窓口で確認し、条件を満たしていれば早めの手続きを心がけましょう。
教育ローン・特待生制度
金融機関や日本政策金融公庫が提供する教育ローンは、入学金や授業料を借り入れできる仕組みです。金利は変動することがあるため、利用前に複数社を比較検討すると良いでしょう。
特待生制度は学力試験や技能審査などに合格すると授業料が一部免除される制度です。学校によって条件や免除額は異なるため、希望の学校が特待生制度を実施しているかどうか確認しましょう。
穴吹カレッジ福山では、穴吹カレッジ特待生制度という学費免除制度があります。
専願で受験する人が利用できる制度で、学校の定めた条件に当てはまれば特待生制度を申し込むことができます。特待生制度の申請をした人の中から入試の成績により選抜制で学費免除が受けられます。
奨学金と教育ローンを併用する人も多いため、返済計画とともに自分に合った組み合わせを模索することが大切です。

専門学校の学費の支払い方法とタイミング
学費は学校によって一括払いと分割払いの違いがあり、納入スケジュールも異なるため、事前に確認しておくと安心です。
一括払いは該当する年度や前期の授業料をまとまって支払う方法で、分割払いより手続きが簡単なケースが多いですが、一度にまとまった資金が必要です。分割払いは複数回に細かく支払える利点がありますが、事務手数料や分割手数料が加わる場合もあります。
学校によっては数回の分割だけでなく月払いなど選択肢が多彩なところもあります。
また、入学前の手続きで入学金を支払い、進級時に改めて授業料や施設費を納入するケースがほとんどです。納付期限を過ぎると無条件で辞退扱いとなる場合もあるため、スケジュール管理はしっかり行いましょう。
一括払い・分割払いのメリット・デメリット
一括払いのメリットは、手数料がかからないことや支払い手続きをまとめて行えること、デメリットは大きな金額を一度に準備しなければならないことです。
分割払いのメリットは月ごとや学期ごとに支払うことで負担を分散できる点ですが、事務手数料や支払い回数の制限がある学校も少なくありません。
学校によっては支払い方法が決まっている場合もありますが、家計や収入状況、返済プランに合わせてどちらを選ぶか考え、無理のない方法をとることが大切です。
入学前と進級時の納付スケジュール
合格通知後、入学手続きのタイミングで入学金や前期の授業料を納付する場合が多いです。支払い期限を過ぎると入学が取り消されるリスクがあるため、期限の管理が大切です。
穴吹カレッジ福山には、併願先の合否結果が分かるまで入学金の納入期限の延長を認める「併願制度」があります。
いくつかの学校の受験を考えている方はこうした制度があるかどうかをチェックしておくのも良いでしょう。
進級時には次年度の授業料や施設費などを支払うスケジュールが定められています。金額と納付時期を把握し、アルバイト代や奨学金の受給日程とのすり合わせを行ってください。
学校によっては長期休暇中に授業料を納付するケースもあります。学友や先輩などから実際の納付スケジュールを聞くとより具体的なイメージが得られるでしょう。
専門学校の学費を準備するポイント
十分な事前準備があれば、学費や生活費の支払いで大きく困ることを防ぎやすくなります。
まずは家族と話し合い、進学後に必要となるおおよその金額を見積もることが重要です。入学金や授業料だけでなく、教材費や交通費、生活費なども含めたトータルの資金計画を早めに立てましょう。
奨学金や教育ローンなどを活用する場合は、それぞれの返済方法と利息を把握してください。学生のうちから返済プランを考えておくと、卒業後の負担を軽減しやすくなります。
在学中にアルバイトをする場合は、学業と両立できるかどうかを試行錯誤しながら無理のない範囲で検討し、支出を賄う一助にするのもひとつの方法です。
家族のサポートを含めながら、無理のない範囲で資金調達や返済を考えることが大切です。状況によっては学資保険や貯蓄をどう活用するかもポイントになります。
加入中の保険やローンの有無など家庭全体の収支状況を考慮し、専門学校への学費支出と生活費がどの程度の割合を占めるのか整理しておきましょう。
家族の意見を聞いた上で、あらかじめ具体的なスケジュールと金額を設定しておくと、入学後の資金トラブルを防ぎやすくなります。
まとめ
専門学校の学費は分野や学校ごとに大きく異なるうえ、さまざまな支援制度や支払い方法が存在します。
平均的には初年度納付金が約120万~130万円ほどかかりますが、医療・工業系などの分野ではさらに高額になるケースがあります。内訳に注目しつつ、学校独自の実習費や教材費、受験料などの追加負担を考慮しましょう。
奨学金や修学支援新制度、教育ローン、特待生制度など、学費を補助する選択肢は多彩です。条件や返済計画をしっかりと検討し、自身に合った制度を活用することが大切です。
事前に資金計画を立てることで、入学後の負担を軽減できます。家族との相談や在学中のアルバイトも含め、無理なく専門学校での学びを充実させるための準備を進めましょう。