
専門学校への進学を考えている高校生や社会人の方にとって、どのような資格が取れるのかは非常に重要なポイントです。専門学校は、将来の仕事に直結する実践的なスキルを磨き、多くの資格取得をめざせる場所です。
この記事では、専門学校で取得できる資格の仕組みや、分野別のおすすめ資格、そして後悔しない選び方について解説します。文部科学大臣による認定制度や、人気の国家資格についても触れていますので、ぜひ進路選びの参考にしてください。
目次
専門学校と高等専修学校の違い
進路を検討する際、「専門学校」と「高等専修学校」の違いに迷うことがあるかもしれません。まずはこの2つの違いを整理しておきましょう。
高等専修学校は、主に中学校卒業後の生徒が進学する教育機関です。高等学校に近いカリキュラムを持ち、高校卒業と同等の資格を得ることを目的とするケースが多く見られます。
一方、専門学校(専門課程を持つ専修学校)は、高等学校を卒業した人(または同等の学力を持つと認められた人)を対象としています。より高度な職業教育を行い、社会で即戦力となるプロフェッショナルを育成するのが特徴です。修業年限は学科によって異なり、1年制、2年制、3年制、4年制などがあります。目指す業界や資格の難易度に合わせて、じっくり学ぶ環境が整っています。
「専門士」と「高度専門士」のメリット
専門学校を卒業すると、その学習成果として「称号」が得られます。これが「専門士」と「高度専門士」です。これらは文部科学大臣が認めた専門学校の学科を卒業した者に付与される公的な称号であり、学歴として履歴書に書くことができます。
専門士
修業年限が2年以上で、総授業時間数が1,700時間以上などの要件を満たした学科を卒業すると得られます。短期大学卒業と同等の学力があるとみなされ、大学への編入も可能です。多くの専門学校生が、この専門士の称号とともに社会へ羽ばたいています。
高度専門士
修業年限が4年以上で、総授業時間数が3,400時間以上などの厳しい要件を満たした学科(高度専門課程)を卒業した者に付与されます。大学卒業と同等の学力があると認められ、大学院への入学資格も得られます。4年間じっくりと技能を磨くため、企業からの評価も高く、就職活動での強みになります。
専門学校での資格取得パターン

専門学校で資格を取得するには、いくつかのパターンがあります。「卒業すればもらえるのか」「試験を受ける必要があるのか」など、資格によって仕組みが異なります。
1. 卒業と同時に資格を取得できる
国家資格の中には、国が指定した養成施設(専門学校など)で所定の課程を修了した者に対して、試験免除で資格を与えるものがあります。
例えば、調理師や製菓衛生師(受験資格または無試験取得など学校による)、測量士補などが該当します。授業や実習をしっかりこなし、卒業要件を満たすことで確実に資格を手にできるのが大きなメリットです。
2. 卒業と同時に「受験資格」が得られる
看護師、理学療法士、保育士、愛玩動物看護師などの多くの国家資格は、専門学校を卒業する(または卒業見込みとなる)ことで、国家試験を受ける権利が得られます。
専門学校では、この試験に合格するための対策授業がカリキュラムの中心になります。難易度の高い試験であっても、クラスメイトと共に励まし合い、先生のサポートを受けながら合格を目指せます。
3. 試験の一部が免除される
実技試験や学科試験の一部が免除されるケースです。例えば、自動車整備士などは、認定された専門学校の課程を修了することで実技試験が免除され、学科試験のみで資格取得を目指せます。
4. 在学中に試験対策を行って取得を目指す
情報処理系の資格や、各種ビジネス検定、民間資格などは、在学中に受験して取得を目指します。学校側が検定ウィークを設けたり、対策講座を開いたりしてバックアップしてくれます。履歴書の資格欄を充実させてから就職活動に臨めるため、人気のある取得方法です。
分野別!専門学校でめざせる人気・おすすめ資格一覧
ここでは、実際に専門学校でどのような資格が目指せるのか、分野別に具体例を紹介します。穴吹カレッジ福山校の例を参考に、人気の国家資格から専門性の高い検定までを見ていきましょう。
国家資格・国家検定
国家資格は、国の法律に基づいて個人の能力や知識を判定するもので、社会的信用が非常に高い資格です。
- 基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ITパスポート試験(IT系)
- ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定(ビジネス系)
- レストランサービス技能検定、ブライダルコーディネート技能検定(サービス系)
- 愛玩動物看護師(動物系)
- 調理師免許、製菓衛生師免許、菓子製造技能士(飲食系)
- 保育士、幼稚園教諭2種(教育系)
これらの資格は就職において強力な武器となります。特に「愛玩動物看護師」は近年国家資格化され、注目を集めています。
IT・情報系の資格
デジタル社会で活躍するためのスキルを証明します。プログラマーやシステムエンジニアを目指す人におすすめです。
- 情報処理技術者能力認定試験
- Javaプログラミング能力認定試験
- AWS認定クラウドプラクティショナー
- C言語プログラミング能力認定試験
クリエイティブ系の資格(デザイン・Web・動画)
デザイナーやクリエイターとしての実力を客観的に示す認定資格です。
- Illustratorクリエイター能力認定試験
- Photoshopクリエイター能力認定試験
- 色彩検定
- Webクリエイター能力認定試験
- Googleアナリティクス認定資格
ビジネス系の資格
どの業界でも汎用的に使えるオフィススキルや、経理・販売の知識を証明します。
- マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS、MOS Expert)
- ビジネス文書技能検定
- エクセル分析ベーシック
- 日商簿記検定試験、全経簿記能力検定
- リテールマーケティング(販売士)検定試験
- サービス接遇実務検定
- マナー・プロトコール検定
専門職系の資格(医療事務・ブライダル・動物・調理など)
各業界特有の専門知識や技能を認定する資格です。即戦力としてのアピールになります。
- 医療事務管理士(医科)、調剤事務管理士、医師事務作業補助者など
- アシスタントウェディングプランナー(AWP)検定、ホテル実務技能検定
- JKC公認トリマー、動物介在福祉士、愛玩動物飼養管理士
- 食品衛生責任者、フードコーディネーター
公務員・教養系の資格
公務員試験対策と並行して取得できる資格も人気があります。
- 漢字検定
- パーソナルカラリスト検定
このように、専門学校では目指す職業に合わせて多種多様な資格名が並びます。自分が興味のある分野で、どのような認定者が活躍しているかを調べてみるのも良いでしょう。
失敗しない資格の選び方
たくさんの資格がある中で、自分に合ったものを選ぶためのポイントを紹介します。
なりたい職業から逆算する
まずは将来どのような仕事に就きたいかをイメージしましょう。「病院で働きたい」「ITエンジニアになりたい」といった目標が決まれば、必然的に必要な資格が見えてきます。
例えば、美容師や保育士のように、その資格がないと業務ができない「業務独占資格」を目指す場合は、文部科学大臣や都道府県知事の指定を受けた養成校に入学するのが一番の近道です。
難易度と需要のバランスを見る
資格には、誰でも受験しやすいものから、合格率が低く難易度が高いものまで様々です。一般的に、取得が難しい資格ほど希少価値が高く、就職や給与面で有利になる傾向があります。
しかし、難しければ良いというわけではありません。業界での需要(求人数)が多い資格や、実務で頻繁に使う技能を証明できる資格を選ぶことが、安定したキャリアにつながります。
自分の「好き」や「得意」を軸にする
修業年限が2年、3年と続く専門学校生活において、モチベーションを維持することはとても大切です。自分が興味を持てる分野、勉強していて苦にならない分野の資格を選びましょう。「好き」という気持ちがあれば、難しい試験勉強も乗り越えられます。
高校生の本音Q&A

Q. 資格があれば絶対に就職できますか?
A. 資格は強力な武器ですが、「資格さえあれば安心」というわけではありません。企業は資格そのものだけでなく、取得に至るまでの努力や、コミュニケーション能力、人柄も重視します。専門学校では、資格取得だけでなく、面接練習やビジネスマナーの指導も受けられるので、総合力を高めて就職活動に挑みましょう。
Q. 1年生から資格の勉強は始まりますか?
A. はい、多くの学科で1年次から基礎的な資格取得を目指します。段階的にステップアップしていくカリキュラムが組まれているため、初心者でも無理なく学習を進められます。
Q. 途中で進路変更はできますか?
A. 専門学校に入学した後でも、取得する資格の方向性を微調整することは可能です。ただし、学科をまたぐような大きな変更は難しいため、入学前の学校選びが重要です。オープンキャンパスなどに参加して、先生や先輩の話を聞いてみることをおすすめします。
まとめ
専門学校は、夢を叶えるための「資格」というパスポートを手に入れる場所です。
国家資格から民間検定まで、取得できる資格の種類は多岐にわたります。1年、2年と学びを積み重ね、専門士や高度専門士の称号を得るころには、自信を持って社会に出られる実力がついているはずです。
大切なのは、偏差値や難易度だけで選ぶのではなく、「自分が将来どうなりたいか」という視点を持つことです。ぜひ、あなたにぴったりの資格を見つけて、希望のキャリアを切り開いてください。