現場で輝く卒業生に聞く!一流ホテルの厨房で挑む日々
華やかな京都の地で、最高級のおもてなしを支える若きシェフ。
2025年3月に穴吹調理製菓専門学校 高度調理学科を卒業した桃田大和さん。現在は、国際的なラグジュアリーホテル「パークハイアット京都」の厨房で活躍しています。
専門学校で学んだ基礎を武器にプロの道へ飛び込みましたが、そこには学生時代には直面しなかった数々の壁がありました。メニューチェンジが多い現場でスキルを磨き、イレギュラーへの対応力を磨く日々――。
一流ホテルの厨房で奮闘する彼のリアルな挑戦と成長の軌跡を、インタビュー形式で深掘りします。
挑戦の舞台は京都!一流ホテルで夢を追いかける

インタビュアー(以下、イ): 本日はありがとうございます。まず初めに、穴吹調理製菓専門学校に入学した動機と、現在の仕事内容を教えてください。
桃田さん: 実家から通える距離で、就職や資格試験のサポートが手厚いことが決め手でした。京都の「パークハイアット京都」に入社し、現在は、ホテルのラウンジでアフタヌーンティーやアラカルトメニューの調理、イベントの補助などを担当しています。
イ: 憧れのホテルでの仕事、やりがいは何ですか?
桃田さん: メニューチェンジが多いので、本当にいろんな料理を学べることです。毎日新しい発見があり、それがモチベーションになっています。
イ: 仕事をしていて嬉しかったエピソードがあれば聞かせてください。
桃田さん: イベントの仕込みをしていた時、それまでは自分が準備した食材がどんな料理になるのか、最終形がわからなかったんです。でも、実際にイベントに参加して、自分が仕込んだものが、こんなに素晴らしい料理になってお客様に提供されているのを見た時は、すごく感動しました。
また、ビュッフェのイベントで初めてショーキッチンに立った時、お客様から食材や料理について質問されて、「これはこういう食材で…」と説明した際に、すごく関心を持っていただけたのが嬉しかったです。貴重な経験でした。
知識不足を乗り越えた「質問力」と「自主練」

イ: 華やかな仕事の裏には、苦労もあると思います。大変だったことは何ですか?
桃田さん: 在学中はパスタをあまり深く習っていなかったので、今のメニューを覚える時に知識が足りず、苦労しました。
イ: その知識不足やスキルは、具体的にどのように身につけられたのでしょうか?
桃田さん: やはり、現場の先輩や上司に、細かいことまで質問するようにしました。パスタは、ソースを作るにもその日の水分量や塩分量で味が変わってしまうので、そういう微妙な調整方法も細かく教えていただきました。また、家で実際にメニューとして出しているものに近いものを作るなど、自主練も欠かしませんでした。
イ: メニューチェンジが多い環境で、新しい料理を効率的に覚える工夫はありますか?
桃田さん: メニューチェンジが始まる前に、何度もレシピを見直すことです。そして、「前回のメニューと何が変わっているのか」を明確にすることで、スムーズに覚えることができます。
イ: 日々の業務で、特に意識して取り組んでいることはありますか?
桃田さん: 細かいことでも気を付けるようにしています。ホテルのコンセプトにあった料理を提供しなければならないので、細部まで意識して素晴らしい料理を作れるよう心がけています。
未来のシェフたちへ贈る、熱いメッセージ

イ: 今後の目標を教えてください。「こんな人になりたい」という理想像はありますか?
桃田さん: 今はアレルギー対応などで料理を変更しなければならない時、先輩や上司に頼りっきりな状態です。イレギュラーが発生した時に、何を代わりに使えば良いかなど、積極的に判断し、迅速に対応できるようになりたいです。メニューチェンジ後でも柔軟に対応できるシェフが目標です。
イ: 最後に、これから料理の世界を目指す高校生や在校生へメッセージをお願いします!
桃田さん: 僕は就職してから、「在学中にもっとこんなことできるようになっていれば良かった」と後悔することが沢山ありました。だからこそ、皆さんには、今のうちにできるだけ多くの知識とスキルを吸収して、悔いが残らないよう頑張ってほしいです。
イ: 具体的に「これだけはやっておいた方がいい」というスキルはありますか?
桃田さん: できるだけ多くの知識を学ぶことはもちろん大切ですが、一番は「いろいろな味を知ること」だと思います。いろんな味を知らなければ、何が正解の味なのかがわからないからです。
そして、プロになって最初に課題になるのは、やはり切り物です。学校の時は「それっぽくできる」程度でしたが、プロは「完全にできる」必要があります。単なる下ごしらえでも、素早く、丁寧にできるよう、まずは切り物のスキルを徹底的に身につけるべきだと思います。
イ: 穴吹調理製菓専門学校に入って良かったことは?
桃田さん: 調理師免許だけじゃなく、他の資格も取れる機会があったこと、そして、就職も手厚くサポートしていただいたおかげで、今のホテルに入れていることです。
イ: 桃田さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!目標達成に向けて頑張ってください!
インタビューを終えて
桃田さんの「それっぽいだけじゃなくて、完全にできるようにならなければならない」という言葉は、プロとしての自覚と成長への意欲に満ちていました。基礎を徹底的に学べる専門学校での時間は、一流ホテルという厳しい現場で通用するための大切な土台となります。
高校生の皆さん、桃田さんのアドバイスを参考に、今から料理の基礎と多くの経験を積んでみてください。プロの道は努力の連続ですが、その先には大きな感動が待っています。
パークハイアット京都のご紹介
世界遺産の清水寺や高台寺にほど近い、京都・東山の歴史的な街並みに溶け込むように佇むラグジュアリーホテル。このホテルの最大の特徴は、その絶景のロケーション。京都のシンボルである八坂の塔(五重塔)と波打つ銀瓦が連なる京町家を一望できます。

ホテルは「ラグジュアリー・ゲストハウス(贅沢な邸宅)」をコンセプトとし、客室数をあえて少なく(全70室)することで、すべてのお客様にきめ細かく、心安らぐサービスを提供しています。また、400年の歴史を持つ料亭「山荘 京大和」が共存しており、日本の伝統文化と現代的なエレガンスが融合した唯一無二の空間です。
【ホテル情報】
ホテル名:パークハイアット京都
住所:京都市東山区高台寺桝屋町360
電話:075-531-1234(代表)
| 名前 | 勤務先 | 出身校 |
|---|---|---|
| 桃田 大和さん | パークハイアット京都 | 福山葦陽高校 |