パティシエをめざす学生にとって、12月は1年で最も背筋が伸びる特別な季節ですね。街中が華やぐクリスマス、誰かを幸せにするためのスイーツ作り。そんなプロの現場と同じ緊張感と喜びに包まれた、穴吹調理製菓専門学校のパティシエ・ベーカリー学科2年生によるクリスマスケーキ制作の様子をレポートします。


今回は教職員の皆さんに販売するケーキを、自分たちの手で一から作り上げるというもの。材料の準備から仕上げ、そしてお客様の手元に届けるまで、一足先にプロのパティシエとしての「責任」と「誇り」を体験しました。
「たった一つ」への想いを込めて
実習室では、学生たちが真剣な表情でケーキに向き合っていました。回転台を回しながら、パレットナイフで生クリームを滑らかに整える「ナッペ」の作業。少しの迷いも許されない繊細な工程ですが、お写真からも伝わるその集中力は、まさに職人そのものです。


「私たちは何十個、何百個とケーキを作るけれど、購入してくださるお客様にとっては、その一つこそが特別なケーキなんだよ」
これは、担任の先生がいつも学生たちに伝えている言葉です。学生たちはその言葉を胸に、サンタのオーナメントやイチゴを飾り付ける指先一つひとつに、心を込めていました。


プロも驚く、至福のクオリティ
完成したケーキを実際に手にした教職員からは、驚きと称賛の声が上がりました。


しっとりと焼き上げられた「ジェノワーズ(スポンジ生地)」、口溶けのよい「シャンティ(生クリーム)」、そして甘酸っぱいイチゴ。その完璧なハーモニーは、有名店で販売されているケーキと比較しても一切見劣りすることのない、非常に高い完成度!!学生たちがこれまで積み重ねてきた基礎の積み重ねが、この一切れの美味しさに凝縮されていました!!

スイーツに魔法をかける、最後の一手間
ケーキが完成して終わりではありません。今回の実習では、ケーキと一緒に届けるメッセージカードも手書きで丁寧に作成しました。色鉛筆を手に取り、お客様の喜ぶ顔を想像しながらペンを動かす時間は、お菓子に「想い」という魔法をかける大切なひとときです。


完成したケーキは、クリスマスらしい華やかなデザインの箱に収められ、笑顔で「ありがとうございます!」とお渡ししました。箱を開けた瞬間や一口食べた時に、お客様の日常に幸せな笑顔が溢れるように——。
技術だけでなく「心」も磨くこの実習を通じて、2年生たちは一歩、理想のパティシエに近づいたようです。

