ただ作るだけじゃない!「食のプロ」への第一歩
「料理人」と聞くと、華やかな料理や厳しい修行を思い浮かべるかもしれません。しかし、本当に素晴らしい料理の仕事とは、「自分が作った料理で、誰かを心から笑顔にできること」に尽きます。
本校の高度調理学科では、この料理の喜びを、実践を通じて深く学んでいきます。特に、2年生の後期に行われるレストラン実習は、その学びの集大成です。成長の軌跡と、彼らが再認識した「料理の仕事の素晴らしさ」をお届けします。


実践が人を育てる!11回のレストラン実習で得た確かな成長
厳しいからこそ、喜びも大きい「実践力」
今回、生徒たちは教職員に加え、日頃支えてくださっている保護者の方々もお客様としてお招きし、料理とサービスを提供しました。これは、学校の実習でありながら、お客様の期待に応えるプロの責任を強く意識する貴重な経験です。


後期授業から11回実施されたレストラン実習は、生徒たちを大きく成長させました。彼らは、単にレシピ通りに料理を作る技術だけでなく、以下の重要なスキルを身につけました。
段取り力とチームワーク: 決められた時間内に、数十人分の料理を最高の状態で提供するための計画力と、仲間との連携。

危機管理と応用力: 予期せぬトラブル(例:食材の不足、調理時間の遅れ)に冷静に対応し、最善の結果を導き出す力。

サービスの心: 料理を提供する瞬間の言葉遣い、お客様の表情やニーズを察する洞察力。

実習を重ねるごとに、生徒たちの動きは洗練され、自信に満ちた表情へと変わっていきました。まさに、「実践は最高の教育」であることを証明しています。
知っておきたい!進化する食のトレンドと将来性
今の飲食業界は、単に「美味しい」だけでなく、様々な変化に対応するプロが求められています。
- 多様な食のニーズ: 近年、日本では「健康志向」や「多様性」への対応が加速しています。例えば、グルテンフリー、ヴィーガン、低アルコール飲料の需要拡大など、お客様一人ひとりに合わせた提案ができる知識と技術が必要です。
- 安定した市場規模: 一時的な変動はあっても、日本の外食市場は生活に欠かせない分野として強さを見せています。特に、コロナ禍を経て、多くの人々が「外食での体験」や「専門店の特別な料理」に価値を見出すようになっています。
私たちは、単なる調理技術だけでなく、このような社会のトレンドを理解し、「食」を通じて社会に貢献できる人材を育成しています。
お客様の笑顔が教えてくれた「料理の原点」
感動体験こそが最高の報酬
実習を終え口々に語ったのは、「自分たちの料理で、食べた人が喜んでくれる姿を目の当たりにできた感動」でした。
「美味しかったよ」「ありがとう」という温かい言葉、そしてお客様の笑顔は、何時間も立ちっぱなしで作業した疲れを一瞬で吹き飛ばす、最高の報酬です。


まさにこの瞬間に、料理の仕事がどれほど素晴らしく、やりがいのあるものかを改めて深く理解できたはずです。
未来のプロへ!この気持ちを忘れないで!!
プロとして、この先の道は技術の習得や知識の深化など、決して楽な道のりではないと思います。しかし、料理の道を進み始める2年生には、今回の実習で得た「人を喜ばせる力」と、「人を大切にする心」を、どうか忘れずに頑張ってほしいと心から願っています。
食の仕事は、人を幸せにする無限の可能性を秘めています。

