
【授業を覗いてみよう】
動物看護総合学科 2・3年生
グリーフケア特別講演
動物看護総合学科で行われた今回の特別講演は、学生たちの心を大きく揺さぶる、忘れられない時間となりました。
テーマはペットを亡くした飼い主さんのための「グリーフケア」。動物看護師をめざす学生にとって、絶対に欠かせない心構えを学ぶ、大切な授業の様子をレポートします!

グリーフケアって、なんだろう?
「グリーフケア」と聞くと、ペットを亡くした後の、特別なケアを想像するかもしれません。 でも、講師の阿部美奈子先生(獣医師・動物医療 グリーフケア アドバイザー)は、こう教えてくれました。

グリーフ(悲しみ)は、「もし、この子がいなくなってしまったらどうしよう…」と、飼い主さんが不安を感じたその瞬間から、もう始まっているのだと。
ペットの幸せは、飼い主さんの幸せがあってこそ。 だからこそ動物看護師は、3つのC…動物の治療(Cure)だけでなく、飼い主さんの心の配慮(Care)と、正しいコミュニケーション(Communication)が不可欠なのです。
動物と人のハッピーライフを、出会いからエンディングまで支える。 それが、これからの動物看護師に求められる、大切な役割なんですね。
「目から鱗でした…」学生たちの大きな“気づき”
講義が進むにつれて、学生たちの表情は真剣そのものに。 特に、多くの学生がハッとしたのは、「自分自身のケア」の重要性でした。
まずは、自分と向き合うこと
「グリーフケアに対して、今までは動物を見て、あるいは失った飼い主が感じる悲しみに対するケアのみだと思っていた。しかし、自分自身が感じるグリーフケアをしなければ相手のグリーフケアをすることはできないことまで考えていなかったので、目から鱗でした」
悲しんでいる飼い主さんを前に、自分も辛くなってしまったら、本当の意味で寄り添うことはできません。 まずは自分の心を整え、安定させることが、最高のケアを提供するプロとしての第一歩。ただ動物が好きなだけでは見えなかった、専門職としての覚悟が芽生えました。

不安は、動物にも伝わってしまう
飼い主さんが不安な表情をしていると、その気持ちは敏感な動物たちにも伝わってしまいます。 すると、動物も警戒してしまったり、体調を崩したり、ときには治療の回復が遅れてしまうことさえあるそうです。
飼い主さんの心をケアすることが、まわりまわって、動物自身の心と体の健康を守ることにもつながります。
「言葉」だけじゃない。心で伝えるコミュニケーション術
「コミュニケーションで、言葉で伝わるのは7%以下だと知ったことに驚いた!」 と、学生もビックリ!(メラビアンの法則)
ただ話を聞くだけでなく、相手の表情をしっかり見て、同じ時間と空間を共有する。 そうすることで初めて、本当の信頼関係が生まれます。

安心できる「安全基地」をつくる工夫
例えば、動物が入院するとき。 慣れない場所で、飼い主さんと離ればなれになるのは、動物にとって大きなストレスです。
そんな時、家族のにおいがついたタオルやお気に入りのおもちゃをケージにそっと入れてあげる。 たったそれだけの工夫で、そこは動物にとっての「安全基地」に変わります。
動物が本来の自分でいられるように、安心して治療を受けられるように。 そんなプロならではの温かい配慮も、学生たちはしっかりと学んでいました。
「スキ」が「使命」に変わる瞬間
「ペットの喪失はつらいものだけれど、飼い主様のもついろいろな感情に対してそれは自然な反応であると伝えることや、幸せな想いでや飼い主様がペットにしてあげられたことに目を向けられるよう手助けすることは動物看護師の役割だと感じました。」
「動物にとって好ましくない環境になりがちな動物病院ですが、少しでも動物や飼い主のグリーフをケアして質の良い医療が提供できるよう細やかな気遣いができる看護師をめざしたいと思いました。」

「スキ」を、ただの憧れで終わらせない。 仲間といっしょに学び、ときには命の重さに涙し、それを乗り越えて、本物のプロへと成長していきます。
阿部先生ご講演いただきありがとうございました✨


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